ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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日記

超紫光線の恐怖、あるいはブラック・ラグーン・フィフティー日記。

テキーラを炭酸で割って、日記を書き始める。 この数日の特筆するべき事柄、体重が50キロを切った。 体重を落とそうと思っているわけではないのだけれど、この一ヶ月ほど、たぶん毎日10キロはランニングをしている。けれど、梅雨が明けて日差しが強くなり、…

雨の中の、赤い日記。

雨がやまない。 この数日、部屋の中が陰鬱な水気を帯びていて、気分的に耐えられなくなる。 気分を変えるために、図書館へ向かう。 数日前に日記に書いた内容を含む書籍を探すためだった。 目当てのものがふたつともあり、それを借りて暗い雨の中を歩いて帰…

永遠のジェノベーゼと、脇腹に刺さったロンギヌスの槍日記。

今日の夕食は、ベーコンとタケノコを入れたジェノベーゼのスパゲティと、鶏胸肉のオレガノな炒めもの。あとレタスとか、チーズとかパンとか、ワインとか。 見切り品で買った大量のきゅうりが冷蔵庫の中で腐りだしていて、少しだけパーティープールになってい…

眠れる闇の雨音と、暗い水辺のマーメイド日記。

今朝起きたのは午前九時十四分だった。 ほんとうはもっとずっと早くに目が覚めていた。六時前からずっと目覚めていたのだけれど、起き上がるキッカケを失ったままずっとベッドの上でまどろんでいた。 そのまどろみの中で、たくさんの奇妙な夢を見た。 世界で…

螺旋の先にある空間、消されつつある黒猿陰謀日記。

三日経っても覚えている夢を、書き綴ろうと思って、いま筆を動かしている。 記憶は徐々に消え去ってゆきつつあるので、ディテールは荒いし、唐突に終わるかも知れない。 どこかの土地、宗教施設だったらしい遺構みたいな場所、いちおう観光地のようだが、長…

あんドーナツ、緑のドーナッツ百足日記。

早朝に起きて、まだ暗いうちに湖の畔を走ろうと思ったけれど、なんだか嫌な夢にうなされて、ベッドから起き上がったのはもう日がずいぶんのぼった後だった。 この頃やけに、嫌な夢を見る。その苛立ちが、不安や悲しみが、真昼に溶け込むくらいの、本当に濃い…

無意識の殺意と、アンダーポイズン日記。

ぼくが部屋の外に放った、花束から現れたイモムシは、玄関の近くで誰かに踏み潰されて、体内の臓器みたいなものをぶちまけて死んでいた。数日前の出来事だ。 いまでもその死体が、そこにある。 なかなか大きな罪悪感があった、もっと別な場所に放つべきだっ…

アルジャーノンに花束を、たぶんそんな日記。

花束をもらう機会があって。 でもぼくは花束なんてもらうのが嫌いでさ。 いや本当に、真剣な意味があって手渡される花束ならもちろん、嫌ではないのだけれど、いわゆる形式的に花束でも渡しておけばいいだろうっていう、そういう花束が大嫌いで。 そんなもの…

田舎の酒屋にはテキーラなんて売っていない、あるのは密造のウォッカとジンくらいだブルシット日記。

今日ふと思ったんだけれど、ぼくはいますごく自由な時間の中にいる。 まあ、常に、いつだって自由な時間の中にはいるんだけれど、いまはな〜んにも気にしなくてもいい日々が少しだけ目の前にある。でもそんな時でも、なんだかわりと規則正しい生活を送っちゃ…

自己嫌悪、そして誰もいなくなったクリスティー日記。

例えばきみが苦しでいる時に、そしてその苦しみが自分だけではまったくどうにもならなかった時に、たぶんきみは誰かにその話をするかも知れない。話をして、その流れで助言を乞うこともあるだろうし、助けを求めることもあるだろう。 ぼくのいままでの経験も…

おおよそ、ゼロ日記。

今日は日記を書く。 誰がなんと言おうと、まあもちろん誰もなにも言わないけれど、いや誰かが何かを言うかも知れないけれど、そんなことは知らねえ、今日の日記を、ありのままに出来るだけ正確に書くと決めたのだ。 いまこの日記を書き始めたら雷鳴が轟いた…

ロスト・ラビュリントス、あるいはミーノータウロス消失日記。

昨日の夜、眠ったのがいつなのかが、わからなかった。 ある瞬間、気が付くと、食後の洗い物もすべて終わらせてあったし、部屋の電気もすべて消してあった。真っ暗闇の部屋に立っていた。はっ!と思って、「もう眠らなきゃ!」と洗面台で歯を磨きだした。 で…

サケブナス、ゴラアナ日記。

近所の高台に稲荷神社がある。 この地に暮らし始めてから、もう何度も何度もその稲荷神社には足を運んでいるが、それはいずれも昼間でさ、夜に行ったことがないなあと、ふとこの夜更けに思う。 ちょっと、いまから行ってみようかなって・・・。 ぼくは神道や…

悪夢と猫夢と、ミッドナイトゴダイヴァ日記。

きょう、小さな区切りを迎えた。 花をもらって、チョコレートと日本酒をもらって、半分の作り笑いと半分の本当の笑みを浮かべて、その後、家路についた。 そしてビリー・アイリッシュを聴きながら黙々と夕食を作り、気が付けば夜の十時前、やや古いアメリカ…

二百年後にワンダーウーマンと朝食を、ってジャスティス日記。

平等という言葉があって、あるいはそういうシチュエーションを求められる機会はアホみたいに多くて。そして、平等なんてことの意味も、言葉の意味すらもまったくわかっていないアホどもから、そういうことを無駄に畳み掛けられることが、この数年しばしばあ…

カーテンの隙間から見える白い羽のようなものは、あれはいったい日記。

ぼくの守護天使のひとりが、ある時こう言った。 「長く生きたくなんて、ないんだもん。どう生きるかなんて、わたしが決めることでしょ、そろそろ死にたいのよ、そんなこと、勝手にさせてほしいの。」 ぼくも、そう思う、大いにそう思う。 命を、その周辺のな…

ジョン・ドー・ドリーム・ダイアリー、あるいはフー・アー・ユー日記。

夜見る夢の中で、夜じゃなくてもいいんだけれど眠っている間に見る夢の中で、「あっ、これは夢の中なんだ」と認識して、夢の中での行動を少し自由に制御できるようになったことをきっかけに、体に異変が起きるようになった。 いまが、ここが、夢の中だと認識…

消えかけた声と、ボトルいっぱいの蒸発した涙日記。

もう、何ヶ月になるのかなあ、毎日夕飯を作りながらビリー・アイリッシュばかり聴いている。そして歌っている。 厳密に言うと、時々マルーン5とかブルーノ・マーズとか、アデルとかサム・スミスとか聴いて、歌っているけどさ。なんだか断然ビリー・アイリッ…

名も知れぬ廃鉱山で笑う、クレイジークリスタル日記。

この数年で、ぼくはいろんなものを捨て去る準備ができたんだろうなあ、って、時々なんだかぼんやり思う。 置き去りにしてきた、たくさんの蔵書とか、一時狂ったように集めていたアメリカントイとか、あとはもっと大切なものも、まだ彼らは物質として、遥か遠…

醗酵する明日と、ネギとモラル日記。

あるWEBLOGに、納豆には長ネギじゃなくて玉ネギが好き、って書かれていた。 玉ネギにカラシ、それが好きだと。 それを読んで「はっ」と思い、生まれて初めて納豆に玉ネギのみじん切りを入れてみた。 その日までぼくは、納豆には長ネギしか入れたことがなかっ…

化石のように乾いた、ある朝の日記。

早朝の道端にカメが突っ伏していた。 小さいガメラみたいな姿で、たぶんイシガメの幼体だと思う。水辺からはかなり離れた場所だった。どこで生まれてどこに行こうとしていのかはわからないが、カラカラに乾いて歩を止めた状態で突っ伏しているその姿は、カメ…

モンキーモンキー、日記。

ふと、久しぶりにiPhoneの写真アルバムを開くと、iPhoneは勝手に、本当に勝手に、二年前とか五年前の写真で音楽付きアルバムなんかを作成していて、ぼくに見せつけてきた。 そんなことはわかってるよ、その頃はとんでもなく満たされていて、ぼくはパラダイス…

世界の片隅でBullshitと叫ぶ、カリフォルニア猫又日記。

少し前の日記に書いたこと。近所の公園に「猫に餌を与えるな」という主旨の張り紙がバリバリと張り巡らされた。 ただそこに少し気になることがあった。張り紙の見出しは、「猫さんに餌をあげないでくださいね。」みたいなものだった。 猫さん。 猫さん。なぜ…

WとH、それがきみの名前だったR日記。

眠っている間にみる夢とは、いったいなんなのだろう。 今朝方みた夢、夢のことは忘れがちだが唯一覚えていることがある。その夢を見ている最中、何故かこれだけは覚えておかなければと思い、必死で握りしめていたことがある。夢の中なので、その理由はよくわ…

スターシップ・トゥルーパーズっぽい、Duh、日記。

早めの夕食をはじめて、早めというのは夕方の五時頃からだが、『THE FLASH/フラッシュ』のシーズン4を観ながらの晩酌の最中、うっかり、そして豪快にグリーンカレーをぶちまけてしまった。 ちなみにグリーンカレーのお供は白飯ではなく、蕎麦。 ドラマの筋書…

23時20分の、罠日記。

日常的に文章を書かなくなって、二年ほど経つと思う。 あの日、いや、ある日と言おうか、心が粉々に弾け飛んで、砕け散って、いろんなことをやめてしまった。しばらくして、やめてしまったことを少しずつやりなおそうと思ってみたけれど、もとには戻らなかっ…

あまおと

「きみは、幽霊が・・・、怖いの?」 ぼくの顔を握りしめるように見つめる彼女の眼球は、小型の蜘蛛が部屋の隅っこに毎日毎日密かに張り巡らす糸みたいな、不規則な細い血管で覆われていた。 「えっ、いや・・・、幽霊が怖いわけじゃないよ、でも・・・、た…

ともだちがデモンズ、ほんとうはデモンズ、暗黒竜巻日記。

友だちっていったい誰なんだろう、何なんだろう。 今朝、明け方に夢から覚めて、ふとそう思った。 それまで見ていた夢の中に、古い友だちが出てきていたからだ。 夢に出てきたその友だちは、嘘つきで利己主義で、ほんとうに嫌なやつだった。そして、夢に出て…

深淵のガラクタと、新たなキャットアサシン日記。

この数ヶ月ほど、ずっと感じていたことを、少し言葉にしてみよう、というガラクタ日記。 そういうことが出来るのは、自分の中身が、中身の中身が、大いなる嵐に包まれている時だということ。「穏やかなときじゃないんだ?」と、疑問に、そして反対に思えるか…

シベリアの凍えるナイフ日記。

ヒステリア・シベリアナ 村上春樹の小説『国境の南、太陽の西』にそんな病気の名前が登場する。おそらくは架空の病名だと思う。 北方、辺境の農夫が、毎日毎日荒野を耕し続けた後に、ある日、ふと農具を捨て去って西に向かって歩き出し、そして歩き続けた挙…