ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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森の奥に住む鍛冶屋と悪魔の影を描いたゴシックホラー、ポール・アーキホ監督『エレメンタリ(原題:ERREMENTARI)』

スペインはバルセロナ近郊、海辺に広がるリゾート地シッチェスで毎年10月に開催される映画祭がある。 シッチェス映画祭(Sitges Festival)の略称でも知られている、シッチェス・カタロニア国際映画祭(Festival Internacional de Cinema Fantàstic de Catal…

殺人事件における犯人のおよそ八割が顔見知りの犯行であるが、あとの二割が恐いよね日記。

きょうは家から一歩も出ていないけれど、喜んだり悲しんだりしている。 そういうのを巷では、悲喜籠もり交交と呼ぶらしい。 そんなわけで、ウェブログ更新も、なんだかやる気が起きなくて、映画情報とか小説とかまったく書く気がしねえ。ほんとうは書きたい…

「たぶんぼくゾンビだと思う」っていう異色のゾンビ映画、アン・ウェルズ監督『アン・アクシデンタル・ゾンビ(ネイムド・テッド)(原題:AN ACCIDENTAL ZOMBIE(NAMED TED))』

当ウェブログはここ最近完全にホラー映画ブログのようになってしまっているが、決してホラー映画に特化したウェブログではない。 なんだったら映画に特化したウェブログでもない。 では何かと言えば、基本的にはぼくが勝手気ままに、目の前で気になっている…

短いあとがき - 『南にある黒い町』

2017年9月26日火曜日、物語の始まりであり終わりとして描かれているこの日と同じ、現実世界のこの日に、ふと思い立って書き始めた『南にある黒い町』という物語。 『南にある黒い町』:第十五章(終章)- 黒い町 当初はぼんやりとした塵ほどのプロットしかな…

“フォックス・ネットワーク”と“マース・キャンディ”がハロウィンに贈る短編ホラー広告シリーズ!『バイト・サイズ・ホラー(BITE SIZE HORROR)』

米国のテレビネットワークとして知られる「フォックス・ブロードキャスティング・カンパニー」(Fox Broadcasting Company)と、M&M'S(エム・アンド・エムズ)やスニッカーズなどのブランディングでお馴染み、世界有数のチョコレートメーカーとして知られる…

森の中に潜む邪悪な何か、ジェレミー・ラター監督『ザ・ホロウ・チャイルド(THE HOLLOW CHILD)』

深い森の中に迷い込んだ人間が、森のなかに潜む何かしらの超常的な存在の影響を受けて、狂気に駆られたり、あるいは別人のようになってしまったりするという話が、現実世界でもよくあるようだし、映画や小説などでもよく描かれている。 一方で反対に、現代的…

第十五章(終章)- 黒い町

前回の話:第十四章 - 肉食 「あるいは、婆様も人を喰らっているのかもしれん。」 「人を・・・って・・・、その、中身をってことですか?」 猿神はその問いに対してしばらくの間何も答えず黙り込んでいた。 「おまえが自分で聞いてみればよかろう。先ほどの…

新たな『13日の金曜日』を描いたファン・フィルムが遂に公開!ヴィンセント・ディサンティ監督『ネバー・ハイク・アローン(原題:NEVER HIKE ALONE)』

2017年1月の終わり、当ウェブログでは、ある有名ホラー映画に捧げられたファン・フィルムの予告編映像をご紹介した。 ヴィンセント・ディサンティ(Vincente DiSanti)監督による『ネバー・ハイク・アローン(原題:Never Hike Alone)』という作品である。 …

第十四章 - 肉食

前回の話:第十三章 - 闇の中 -『南にある黒い町』 体をこわばらせて床に胡座をかくぼくを、猿神は随分長い間、物珍しそうにしながら、しかしじっと睨みつけている。 時折、猿神の背後に座っている三つの人影が、それぞれに身を捩らせながら何か小さな言葉を…

第十三章 - 闇の中 -『南にある黒い町』

前回の話:第十二章 - 眠り 猿神はおもむろにぼくのスニーカーから足を下ろし、一瞬だけぼくの顔をチラリと見上げると、鳥居の下をゆっくりとくぐり抜け、真っ白い尻尾を揺らしながらピョンピョンと暗がりに続く神社の石段をのぼり始める。 そして、鳥居脇に…

短編小説『南にある黒い町』プロットと単行本表紙デザインなど

しばらく書き続けているラフ的な物語が案外と長くなってきたので、小説のタイトルとプロット再考、そして単行本を想定した表紙デザインなどを掲載してみようと思う。 タイトルはまだ暫定ではあるが『南にある黒い町』(Black Town in the South)。 もし物語…

サイコパスな連続殺人犯たちが交差するサイケデリックな恐怖の夜、ミッキー・キーティング監督『サイコパス(原題:PSYCHOPATHS)』

「サイコパス」(psychopath)という言葉がある。 日常生活で比較的よく耳にする言葉のように個人的には感じているが(ぼくだけかな・・・)、この言葉の定義を辞書で調べてみると以下のように書かれている。 精神病質(その人格のために本人や社会が悩む、…

シェーン・ブラック監督『ザ・プレデター(原題:The Predator)』の最新アートワークが登場!

ジョン・マクティアナン(John McTiernan)監督による名作SF映画『プレデター』(Predator)、そしてその続編であるスティーヴン・ホプキンス(Stephen Hopkins)監督による『プレデター2』(Predator 2)に引き続く正統的な『プレデター』フランチャイズ最…

第十二章 - 眠り

前回の話:第十一章 - 豪腕 切通しの緩やかな坂道を一気に滑り降りるようにして走り続けるぼくの背後から、佳子ちゃんの激しく泣き叫ぶような声と、真夜中にどこからともなく聞こえてくる怪しげな鳥の鳴き声のようなギャーギャーという奇声とが入り混じった…

ヒバゴンを追い求めて行方不明になって、いつか自分がヒバゴンになる半裸の秋風日記。

秋の夕暮れ、開け放った部屋の窓から冷たい風が吹き込み、部屋の片側には、沈みゆく日の光が欠片のようにしてはりつている。 ぼくは上半身裸で、この日記を書いている。 空に雲はなく、ただ青い。 なぜ上半身裸でいるのか自分でもよくわからないが、意味のわ…

クリス・カーター制作による伝説のドラマシリーズ『ミレニアム』復活の兆し!

来る2018年に最新シーズンの放送が予定されている人気ドラマシリーズ『X-ファイル』(The X-Files)の制作者クリス・カーター(Chris Carter)は、ニューヨーク・コミコン(NY Comic-Con)にあわせて行われたDEADLINEのインタビューにおいて、あの伝説のドラ…

J・J・エイブラムス ✕ S・キングが放つ“あの町”のティザー映像が遂に公開!Huluオリジナル作品『キャッスルロック(原題:Castle Rock)』

スティーヴン・スピルバーグの申し子J・J・エイブラムス(J.J. Abrams)と、米国ホラー界の巨人スティーヴン・キング(Stephen Edwin King)が放つ話題の連続ドラマシリーズ、Huluオリジナル作品『キャッスルロック(原題:Castle Rock)』のティザー映像が…

第十一章 - 豪腕

前回の話:第十章 - 新たな悪夢 『このまま走り続けろ。』 地面から湧き上がるような猿神の声が頭にこだまし、背中から一陣の冷たい風が立ち昇る。するとぼくの頭上から弧を描くようにして、何か淡く白い光の塊のようなものがぼくの駆け上がっている坂道の目…

永遠に奈落の底にいるもう一人の自分と、吸血鬼が血の色を欲するお子様ハロウィン日記。

気分が奈落の底まで落ち込んだ時、あなたはどんな風にして這い上がってくるだろうか? ぼくは昔から、大抵は激しい運動で体を動かして、何も考えられなくなるくらいヘトヘトになった後にしばらく放心してから、酒を飲む。 ある程度の時間生きていると、本当…

第十章 - 新たな悪夢

前回の話:第九章 - 猫の爪 曲がりくねった坂を下り終え、その先の住宅街の中にまっすぐと伸びる薄暗闇に包まれた道に弾丸のような速さで突入したぼくは、刹那ほどの時間だけ目を閉じて改めて静かに呼吸を整えなおし、無心に足を駆りたて、手を振り続ける。 …

超自然的なねじれを伴うファミリードラマ、バラン・ボー・オダー監督によるNETFLIXオリジナル作品『ダーク』

以前当ウェブログでも取り上げたことがあるのだが、NETFLIX初となるドイツ製作の連続ドラマシリーズとして注目を集めている『ダーク』(Dark)の話題に再び触れてみたい。 本作品で原案そして制作を担うのは、『ピエロがお前を嘲笑う』(Who Am I、Kein Syst…

第九章 - 猫の爪

前回の話:第八章 - 合図 ラゴはぼくの頭の中に合図を放つやいなや、ぼくの方には一切顔を向けずにバックパックをブンと振り回して背中に背負い直し、しかしぼくに背を向けたまま大きく右腕を振り上げ、ぼくの方に掌の甲を掲げて手を振った。それがぼくへの…

世界終末を生き延びた私に待っていた地獄、マチュー・トゥリ監督『ホスティル(原題:HOSTILE)』

もしこの世界が、あるいは人間社会が、ある日終末を迎えるとしたら、それはいったいどんな原因によるものだろうかと、時々考える。 再び巻き起こる世界大戦の末の大規模な核攻撃とか、世界規模の自然災害とか、未知の疫病の大流行とか、地球への巨大な隕石の…

人間の魂はどこにあるのか?ニール・ブロムカンプ率いるオーツ・スタジオ最新作『アダム(原題:ADAM)』

『第9地区』(District 9)、『エリジウム』(Elysium)、そして『チャッピー』(Chappie)などで知られる南アフリカ共和国出身の映画監督ニール・ブロムカンプ(Neill Blomkamp)は2017年、プロデューサーであり兄弟でもあるマイク・ブロムカンプ(Mike Blo…

第八章 - 合図

前回の話:第七章 - 黒い恐怖 団地の周囲を取り囲む鉄柵も、そして外灯ポールも生い茂る草木も、まるで竜巻の只中にでもあるかのように縦横無尽に、今にもすべてが吹き飛ばされんばかりに激しく揺れ動いていた。外灯の明かりは切れかかる寸前のようにビカビ…

第七章 - 黒い恐怖

前回の話:第六章 - 孤独な蛙 かつてこの場所にあった黒木山を一部切り崩して建設された南黒町団地は、その背後に幾つもの低い山々が連なる町の外れの高台にあった。 団地のある高台の上へと続く大蛇のようにうねった坂をあがりきると、もう誰一人住むものが…

アンドロイドは人類と共存できるのか?ウィル・ジョインズ監督によるコム・トゥルーズのミュージックビデオ『PROPAGATION』

昔からSF映画の中では、見た目も、そして中身も人間と区別がつかないような人工知能搭載型のヒューマノイド・ロボット、あるいはアンドロイドが、実際に人間の社会の中に溶け込んで生活し始めるという近未来がよく描かれている。 この2017年10月に日本でも公…

第六章 - 孤独な蛙

前回の話:第五章 - 尼僧と猿神 廃神社から団地までの道は、塩田とぼくが何度も何度も飽きるくらいに往復した、ある意味ではぼくと塩田を結んでいた道だった。 ぼくは中学の三年間、いじめにあっていた。 厳密に言うとそれは、ぼくが複数の誰かに直接的な危…

第五章 - 尼僧と猿神

前の話:第四章 - 兵法 9月25日午後9時、ぼくは祖父とラゴと共に南黒町団地から約二キロほど離れた廃神社の鳥居の前にいた。 鳥居の周囲にほとんど街灯はなく、鳥居のすぐ脇にある電信柱に設置された防犯灯だけが、鳥居の周囲を古びたモノクロ写真みたいにぼ…

自殺した男の霊が出るという心霊スポットで、幽霊みたいなきのこの写真を撮ってきた本当はコワい日記。

心霊スポットだと噂されている場所に、ぼくは時々きのこを探しにゆく。 その場所は現在、広大なジャングルばりに植物が生い茂ってしまった相当広大な公園で、おそらく最深部にはほとんど人が入らなくなっている場所であるが、どうやら自殺した人の幽霊が出る…