ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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小説-超短編

第零話 - 現像 -

ぼくが毎朝、駅まで向かう途中で通り抜ける小さな自然公園の遊歩道で、毎日ではないのだが、必ず同じ時刻に公園内ですれ違う女性がいる。 髪は健康的な心地の良いショートヘアーで、上品だがなにか常識を外れたような黒縁のメガネをかけていて、会うたびに耳…

ハリネズミの微笑み

午前七時過ぎ、ぼくがベッドの中で微睡んでいると、ベッドの脇のサイドテーブルに置いてあるiPhoneにメッセージが送られてきた。 昨日は、ごめん。 ぼくはベッドの中でしばらく、ただ一言だけ送られてきたその言葉を何度と無く読み返してから、起き上がった…

ハトマダラ序説

東京新宿のとある場所に、「鳩斑(ハトマダラ)」と呼ばれる場所があることをご存知だろうか。 かつて東京都内にはこの鳩斑と呼ばれる場所が、非公式にではあるが確認されていただけでも七ヶ所(浅草、渋谷、池袋、中野、上野、秋葉原など)存在した。しかし…

黒色の噂

この町に何か邪悪なものが潜んでいるという噂は、私が小学生の頃から、いや、おそらくはもっとずっとずっと昔から囁かれている。 その噂は、インターネットの検索では一切探すことは出来ないし、もしあなたが町の誰かにあえて聞こうと思っても直接的かつ具体…

遅く起きた日曜日の朝の食事

日曜日の午前中、近所のコンビニエンスストアに買い物に出掛けようとして玄関を出ると、家の前の道路のアスファルトの上に白い猫が血まみれになって横たわっていた。 フサフサとした白い毛の半分ほどが赤黒い血でクッタリと濡れ、目は異常に見開かれ、口は何…