ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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映画-映画の味

この、キャベツに醤油なんか掛けるなんて、なかなか、おいしいですね。-『トキワ荘の青春』-[映画の味]第四回

近所のスーパーマーケットでレンタル落ちの映画DVDセールを開催していた。 そういうものを見かけると、ついつい物色してしまうのがぼくの質であって、大抵はその売場のコーナーを三周か四周かしてしまう。 言わばちょっとしたマラソン大会のごとくなのだが、…

こうずらりと肴が並んで、こうおっとりと盃を持った形なんてもなあ、豪勢なもんだねえ! -『雨あがる』-[映画の味]第三回

ぼくの映画鑑賞範囲はどちらかといえば海外の映画専門で、あまり日本映画には精通していない。 気に入った監督の作品、例えば伊丹十三とか森田芳光とか市川準、あるいは小津安二郎なんかをぼちぼち知っているくらいの程度。 黒澤明も好きだが、好きと言える…

肉のうま煮とクラッカーを食うか? -『スリング・ブレイド』(Sling Blade)-[映画の味]第二回

もうここ何年も、ファーストフードのハンバーガーショップには滅多に、いや滅多にどころか、まったく行かなくなった。 だからハンバーガーが食べたければ、自宅で手製のものを作る。 だけれど、ハンバーガーを食べるとなるとついつい欲しくなる、彼の最高の…

古い映画を2本観て、サラダを4回食べた -『恋する惑星』(重慶森林、Chungking Express)-[映画の味]第一回

ぼくはウォン・カーウァイの作品を、つい最近までまったく観たことがなかった。 理由はと言えば、ずいぶん昔に、たしか映画を貪るようにして喰らっていた大学生の頃だったと思うけれど、『欲望の翼』(阿飛正傳 Days of Being Wild)だか『恋する惑星』(重…

美味しい映画と不味い映画、映画を食べるということ -『映画の味』起筆への序章として[映画の味]

映画の良し悪しの基準は、人それぞれだと思う。 現時点(2016年3月6日現在)において、いったいこれまでに製作された映画の数がどのくらいにのぼるのか、ぼく自身はまったく把握してはいない。おそらくは、今日から死ぬまでの間、ずっと映画を観続けたとして…