ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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随筆

おどりましょうよ。

調べ物をしていたら、なぜか「Shall we ダンス?」の動画が出てきたので、久しぶりにしばらく鑑賞する。 たまこせんせいが言う台詞がすきさ。 杉山さん、ダンスはスッテプじゃないわ、音楽を体で感じて、楽しく踊ればそれでいいの。 映画に出てくるダンス教室…

モノ言う異端者

いくらきれいごとを並べたってしかたがないさ。 現実に汚物にまみれた世界を、見て見ぬ振りをして、 「嗚呼、なんて美しい世界でしょう。」 と言いはる者がいるけれど、そんな者に誰かが救えるなんてぼくには残念ながら思えない。力が足らず汚物に埋もれて助…

耳なしコールセンター

きょう、とある申し込みのために受付のコールセンターに電話をしたのだが、 「おまえ、ふざけてるんじゃないだろうな!」 というくらい、人の言うことを間違って復唱する担当者だった。 念のため書いておくが、ぼくの滑舌や発音は一定のレベル以上には、はっ…

守護石“珍”ガイドマップ

誕生日ごとの守護石が書かれている本をパラパラ見ていたら、 掲載されているそれぞれの石ごとに「ラッキープレイス」なる項目が書いてあるのだが、 なにがどうラッキープレイスなのかまったく意味がわからん。 たとえば、ラッキープレイス:ハイテク工場。 …

宇宙的恐怖な旧支配者セット - ぼくひとりめし

東京を離れてしばらく、ぼくがまだとある山奥に住んでいる頃、近所には商店の類は無いに等しかった。なおかつ、ぼくは車を運転しないので、食材が欲しくてもおいそれとは買い物にゆけなかった。 それでも、あるものでなんとか工夫して毎日毎日きちんとごはん…

大中小の中空

東京で居酒屋に入るといつも気になっていたのだが、 生ビールの「中」ジョッキはあるのに、 「小」と「大」はない店が非常に多い。 だったら別にメニューに「中」とか書かないで生ビールジョッキでいいじゃないか。 小も大もある店ならもちろん中の表記が必…

しあわせ歌謡曲

昨日の夜、ふいに水前寺清子の「三百六十五歩のマーチ」が頭をよぎり、 食器の洗い物をしながらやや大きめの声で歌ってみる。 大きめの声になったのは、 おそらくほろ酔いだからである。 二番が思い出せなくて一番をループする。 調べるのもしゃくなので一番…

美化語マニュアル

飛行機の中でスチュワーデスにサービスドリンクの種類を聞かれたので、りんごジュースを頼んだら、 「はい、おジュースでございますね。」 って言われた。 「おジュース」かあ・・・、まあ聞くフレーズではあるけれど。 前から思っているが、 カタカナに「お…

行き逢う神のそれぞれ

ふと思ったことがある。 ぼくは道端でいろんな人に出会う。 見知らぬ人に声をかけられる。 道を聞かれたり、 世間噺の相手になったり、 助けてもらったり、 意味不明な挨拶を頂戴したり、 云々。 でもそのほとんどが、 今でもほんとうに見知らぬ人である。 …

水たまりの鰐

道路の水たまりに鰐などいないと思っているきみたちへ。 いいや、鰐はどこにだっているんだよ。 近所のカレー屋のフィンガーボールにも、 朝露の雫にも、 道路の水たまりにも。 気を付けたまえ。 いざという時に守ってくれる人を探したまえ。 安全な場所など…

オオカミ少年とヒバゴン

きのこを探して雑木林の奥深くを歩いていたら、その林の外の広場に小学生の集団がいて課外授業らしいことをしていた。 ぼくのいるところからはずいぶんと距離があったし、さらにぼくは鬱蒼とした樹々の奥のほうで、地面すれすれまでしゃがんで写真を撮ったり…

焼きそばアイデンティティー - きみぼくめし

小学生の頃、土曜日に学校が午前中で終わって家に帰ってくると、お昼ごはんはたいてい焼きそばだったような気がする。 まあもちろん毎回毎回焼きそばだったはずはないけれど、毎回毎回に近いほど焼きそばではあったとぼくの脳ミソには記憶されている。 当時…

永遠のふる里 - きみぼくめし

去年の夏だったか、80歳になるお母さんがたった一人で切り盛りする、とある島の民宿に滞在した。 体を壊して久しく宿を閉めていたというお母さんだが、なぜか電話を掛けた際に、「まあ頑張ってみるか!」と言って予約を受けてくれた。 「さっきも電話があっ…

一握の米 - ぼくひとりめし

朝起きてすぐに、何の計画も立てず、ふと思い立ってどこかに出かけたくなることがある。 ありませんか? ぼくはある。 そんな時には、身支度もそこそこに、いてもたってもいられなくてまさに着の身着のままに出かけてしまうことがあるのだが、食べることが何…

ファーストフードなんかいらない - きみぼくめし

ときどきハンバーガーが無性に食べたくなる。 学生の頃だったら、迷わず近所のファーストフード店に駆け込んだろうが、あの類のハンバーガーを食べなくなってもうずいぶん長い時間が流れ去った。 世の中にはファーストフードのおぞましい噂が数多く存在する…

おとな様ディナー - きみぼくめし

お子様ランチのイメージって、やっぱり丸く盛られたごはんの上の「旗」じゃないかと思う。 久しくお子様ランチなんて、食べてもいないし見てもいないから、今の時代のお子様ランチはもっと違ったものになっているのかもしれないけれど、ぼくが子どもの頃のお…

昨日のタイ王国 - きみぼくめし

タイ王国にはまだ行ったことがないが、タイ料理は美味しい。 本場で食べてもいないのに、何を生意気なこと言ってんだと思われるかもしれないが、昔、東京に住んでいた頃、家の近所にタイ料理屋が二軒あって、時々タイ料理を食べに行ったりテイクアウトで自宅…

特製というラーメン - ぼくひとりめし

朝ごはんと夕ごはんは、ほとんどの場合、自宅で作って相方と食べる。でも、時々はひとりで食べることもあるし、昼ごはんを何処か出先の外食で済ませることもある。 そんなわけで、そういうときには「ぼくひとりめし」なのだ。 とある山の上にある神社の参道…

目玉焼きのポテンシャル - きみぼくめし

朝ごはんに目玉焼きがあるのとないのでは、おおいなる差がある。 目玉焼き自体がそれほど好きなわけではないのだが、朝ごはんのメインが目玉焼きとなると話が違ってくる。 朝ごはんの目玉焼きは大の好物である。もちろん調味料は、醤油派。塩やコショウやマ…

肉々の日 - きみぼくめし

一年ほど前の夕ごはん、おそらくこの日は肉が食べたかったのだろう。 近所で煮込み用の牛スネ肉を半額で買ってきて(あるいは狩ってきて)、それを薄めにスライスしてステーキにしてみる。 シンプルに塩と胡椒のみだが、保険のためにバルサミコをベースにし…

無題の猫の物語

きょう雨の中、道を歩いていたら、前から歩いてくる60代くらいの観光客風の夫婦の会話が聞こえてきた。 奥さんのほうが「猫が死んでるよ!」と言うと、旦那は「ネズミだよねネズミ。」と言いながらこちらに歩いてきた。 その夫婦とすれ違ってからその場所を…

自分の場所

自分の場所を見つけるのは簡単なんだよ。 難しいのはその場所を守ること。 意識的にか無意識にか知らないが、人は誰かの場所を壊したくてしかたがないのだ。 ぼくは自分の場所はけっして壊されたくない。壊させない。そう思って生きている。 けれど、誰かの…

酒呑みの品数 - きみぼくめし

冷蔵庫の残り物を一掃しようと思いたつと、楽しくなってしまって、やけにおかずの品数が多くなる。 おかすが多くなれば多くなるほど、それを小鉢で机にひろげ、日本酒なんか呑みたくて仕方がなくなってしまう。嗚呼、酒呑みの性め。 蛸とズッキーニとパプリ…

ぬか漬けのススメ 道場六三郎の章 - きみぼくめし外伝

漬物が大の好物である。 ごはんのお供に漬物がないといっこうに何も始まらない気がしてしまう。 ぼくが毎日食べている漬物は、基本的にほとんど自宅のぬか床で漬けている。ぬか床は東京に暮らしている頃にはじめてみたのだが、いちど管理を怠って駄目にして…

あさひるばんごはんの朝の部分 - きみぼくめし番外

子どもの頃からずっと、ぼくの家では朝ごはんっていうものがずいぶんイイカゲンな扱いだった。 たぶんあまり料理をしなかった母がイイカゲンだったんだろうと思う。 家は両親共働きで、食事のほとんどを祖母が作っていた。祖母は料理がとても上手な人で、も…

なんでもない日の祝飯 - きみぼくめし

ずいぶん昔にとある知人から頂いたアルファ化米の赤飯が台所に眠っていることに気がついたので、朝食に食べてみることにした。 とくにめでたいことがあったわけではなく、消費である。 ちなみに記載されている賞味期限はゆうに一年以上過ぎていたのだが、ま…

腐れ麻婆様 - きみぼくめし

豆腐は絹派か木綿派かといわれれば、ぼくは生粋の絹派である。 それが原因かどうかはわからないが、木綿豆腐を買ってくると、冷蔵庫の中で傷ませてしまうことが多い。 絹を冷蔵庫の中で腐らせた記憶はまったくないが、木綿は気付くと腐らせているケースがよ…

同型の憧憬 - 其の壱

小学校を卒業してからもう三十年近い年月が経つ。 ぼくは当時の田舎の小学生にはめずらしく、地元の中学校ではなく東京にある私立の中学校に進んだ。 その受験勉強のために、小学六年生の時の一年間は毎日毎日進学塾に通わされた。夏休みも冬休みも、ぼくに…

汁だくカルボナーラ奇談 - きみぼくめし

毎日毎日ごはんの写真を撮っているけれど、なんとなく持て余してしまっているので、適当な感じでウェブログに綴ろうと思いました。 タイトルは「きみぼくめし」。 というわけで、きょうから「きみぼくめし」はじめます。 食べたものと、その時食べながら話し…

インターネットをやめるということ

高校時代に担任だった先生が言っていた言葉を時々思い出す。 「テレビなんて見ちゃダメだよ、みんな、一方的にだた入ってくる情報をそのまま自分の身に受け入れていたら、頭が駄目になるぞ!」 その先生は当時まだ大学院を出たばかりの新任の教師で、専攻は…