ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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昨日のタイ王国 - きみぼくめし

タイ王国にはまだ行ったことがないが、タイ料理は美味しい。

 

本場で食べてもいないのに、何を生意気なこと言ってんだと思われるかもしれないが、昔、東京に住んでいた頃、家の近所にタイ料理屋が二軒あって、時々タイ料理を食べに行ったりテイクアウトで自宅に持ち帰って食べたりしていた。

 

一軒は日本人が経営している店で料理も日本人が作っていた。

 

もう一軒はおそらくタイ王国出身の人が経営していて、もちろん料理もタイ王国出身の人が作っていた。どちらも運良く美味しい店だったけれど、東京にはタイ料理のお店は山ほどあるから、たぶんまずい店だってたくさんあるだろう。

 

タイ料理屋がたくさんあるくらいだから、そういうお店向けに直輸入のタイの食材を売っているお店も存在した。ある時期から、ぼくはタイ料理が食べたくなると、タイ料理屋に行くのではなく、そのタイの食材店に買い物に行って、自分でタイ料理を作って食べるようになった。その店は経営者もタイの人だし、お店で働いている従業員もタイの人だし、お客さんもタイの人だった。ぼくはその店で日本人の客を一度も見たことがない。タイの新聞やら音楽CDなんかも置いてあったから、東京に住んでいるタイの人も普段使いで買い物に来る店なんだろうと思う。日本語もほとんど通じなかったし、お店にゆくとタイ語で挨拶されて、買い物のあとにはタイ語で「ありがとう!」と言われた。みんなとても感じがよかったし、居心地のよい店だった。

 

東京の中でもあれほど豊富にタイの食材を売っている店はないだろうと思う。

 

調味料もたくさんあったし、直輸入のゴツいパクチーをはじめ、香草類もたくさん扱っていた。バジルだけでも数種類売っていた。香草類はどれも新鮮で一袋が山盛りで、なによりすごく安かった。日本のスーパーなど見かけるパクチーはすごく少量でしなびたみたいなものが、アホみたいに高値で売られている。味も香りもほとんどしないしすぐに傷んでしまう、というかそもそも傷んでいる。一方その食材店で売っているパクチーは青々としていて香り高く味も濃厚だった。店に行く時間帯によっては、ほとんどの香草が売り切れていることもあったが、タイ料理屋も買いに来るんだから、そりゃそうだろうなあ。

 

ぼくはそこで調味料やパクチーやバジルや、ジャスミンの香りのするタイ米なんかを買って、家でタイ料理を作るわけだ。

 

厳密にはタイ料理じゃなくタイ料理っぽいものだったかもしれないけれど、美味しければそれでもいいでしょ。まあレパートリーはそんなにないけれど、ヤムウンセンやらカオマンガイ、あとはガパオなんかはわりによく作っていた。

 

東京を離れてしまった今、なかなか手軽に材料は揃わないけれど、あるものでタイ風のごはんは作る。たいていは夜ごはん。でも、次の日はおのずと、残ったものでタイ風の朝ごはんになるというわけ。

 

パクチーがないからミツバだし、トムヤムクンは作らなかったから味噌汁だけれど、シンプルなタイっぽい朝ごはん。ごはんはシンプルに限る。

 

いつかタイ王国で思う存分ごはん食べてみたいなあ。

 

きみぼくめし - 昨日のタイ王国 -

 

鶏のスープで炊いた白米(残念ながらタイ米ではなく日本の米)、目玉焼き、長ネギと鶏肉の味噌汁、既成品の野菜ジュース。目玉焼きのっけごはんにはミツバと塩コショウ、ちょっとだけタイ産の醤油をたらしてね。

 

 

 

10分で本格タイごはん

10分で本格タイごはん

 

 

 

月白貉