ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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インターネットをやめるということ

高校時代に担任だった先生が言っていた言葉を時々思い出す。

 

「テレビなんて見ちゃダメだよ、みんな、一方的にだた入ってくる情報をそのまま自分の身に受け入れていたら、頭が駄目になるぞ!」

 

その先生は当時まだ大学院を出たばかりの新任の教師で、専攻は数学だったと記憶している。とんでもなく背が高くて(190センチくらいかな)、色白の西洋人風の童顔で、そしてすごく穏やかな人だった。男子校だったぼくの高校では、いろんなことを理由になんやかんやとバカにされていた先生だったけれど、今思えば、教師としては信頼すべき存在だったと、そう思う。

 

テレビ大好きっ子だったぼくは、子供の頃からつい最近まで、テレビばっかり見ていた。

 

ほんとうにアホみたいにテレビばっかり見ていた。

 

そんなぼくだけれど、数年前のある時期からテレビ番組のクオリティーの極端な低下と限度を超えた情報操作を感じ始めた。そしてテレビを見ることをやめてみた。

 

テレビを見なくなって三年ほど経ったけれど、な〜にも支障はないどころか、たぶん多くの面において快調である。まず無駄なストレスが減ったと思う。テレビから流れてくる一方的な情報にどれほどの嘘と、そしてストレスフルな要素が含まれているのかがよくわかった。

 

じゃあ次はなにを切り捨てようかなあと思って、やっぱりネットだろうと思う、インターネット。

 

インターネットをやめるということ

 

ネット上のサービスに書いている文章としては大いに矛盾しているのだが、「こんなものじっさいはいらねーよなあ。」と最近は大いに思っている。

 

いらねーよ。

 

常々思っていることだけれど、極端な利便性は人々を大いに腐らせる、人々も世界も。

 

ちょっと便利ならいいとおもう、曖昧な表現だが、生き物としての尊厳を欠かないくらいの少しの進歩はいいと思う。そのレベルがどの程度のものかという定義は難しすぎるので、そんな野暮なことは聞かないでほしのだけれど、でも今の世界はもはやルール無用の、実際には荒廃した世界である。見た目ではなく、その背後に抱えているのは、完全に荒廃した世界だ、いや見た目にもかもなあ。

 

例えば日本ですべての電力の供給が絶たれて、ネットなんておろか電力に依存した生活もままならなくなって、その生活が三年くらい続いたとしようよ、それはありえない話ではない。そうしたらまず、インターネットなんてなんの役にもたたないよねってことが、わかるんじゃないのかなあ。

 

「そんなことにはなりえない」っていう何の根拠もない馬鹿げた理屈は、どうもぼくには理解がしがたい。ありえないことなんてない。「ありえない」なんてことが、ありえない。

 

手に入れたものを捨て去るのは、精神的な面で言えば、とってもとっても大変で困難だと思うけれど、捨てたら捨てたでなんてことないのさ。

 

いずれ手放すことになるものをいつ捨てるのかというだけのことで。

 

ぼくは政治に疎いので、いろんなことに無知だという前提で勝手な意見を言うのだが、日本の政治家たちが唱えている「削減する」とか「増やす」とかいうことの的が、まったくどうでもいいことを対象にしているような気がする。ちょっと国民を馬鹿にしてるような気がするのだ。馬鹿にのっているバカが多いのだろうけれどね。

 

もっと等身大のことでいい、あるいは逆に無理みたいなことでいい。中途半端ではなく、小さくても大きくても極端でいいじゃないか、極端というのは、それはまさに自らへの真剣なチャレンジなのだ。

 

たとえばこんな演説をする政治家がいればね、そうだよなあってぼくは思う。

 

「テレビの情報もインターネットの情報も、実際の我が国の深刻な問題をじつは何も語ってはいません。

 

そしてその不確かな情報に対してただ言葉を連ねるだけでは、なにも解決はしてゆきません。解決してゆくのは、私自分の手と足であり、本当はあなたがた国民自身の手と足だからです。だから国民の皆様は、テレビやインターネットの利用を控えてみてください、やめてみてください。もし何か真実が知りたいのであれば、自らその場に足を運んで、自らの手で触ってみてください。そうやってなにが真実なのかを理解してみてください。結局のところ、そういうひとりひとりの力でしか、何かを変えてゆくことは出来ないのです。私自身はそうやってゆきたいと思う所存です。もちろん私だけでは、できることには限りがあるとはおもいます、私だけでは、できないことも大いにあるとはおもいます。なぜならこの国を変えてゆくのは私の力ではなく、私も含めた国民ひとりひとりだからです。」

 

日本が崩壊する前に。

 

 

 

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月白貉