ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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D・F・サンドバーグ監督『アナベル 死霊人形の誕生』公開記念、『死霊館』ユニバース短編ホラー作品コンテストの優勝作品が決定!

2017年8月11日から遂に米国公開となったデヴィッド・F・サンドバーグ(David F. Sandberg)監督による『アナベル 死霊人形の誕生』(Annabelle: Creation)。

 

 

公開直後の興行収入はなかなか好調のようで、先週末(8月11〜8月13日)の全米ボックスオフィス・ランキングでは一位に躍り出ているらしい。

 

日本での公開はやはり出遅れて2017年10月13日、せっかくホラー映画なんだから東洋のハロウィンであるお盆をターゲットに公開することだって出来ただろうにと思うのだが、なぜか10月初旬という中途半端な日取り。だったら本命の10月後半、本ハロウィンにぶち当てたらいいと思うのはぼくだけだろうか。

 

ちなみに邦題も・・・、「死霊人形」ってなんだよ。そんなタイトルにしたら髪の伸びる日本人形の怪談みたいじゃないか。もしどうしても日本語にしたいなら、平仮名を使って『あなべる 死霊人形の誕生』にするくらい突っ切って欲しい。

 

というか、『アナベル:クリエイション』でいいじゃないか。

 

まあ本作品の元となっているジェームズ・ワン(James Wan)監督の『死霊館』(The Conjuring)から安易にネーミングを採用しちゃっているのだと思うが、そもそも『死霊館』という邦題もさ・・・、「The Conjuring」ってそんな意味じゃないでしょ。

 

死霊という言葉はどちらかと言えば日本民俗的な色合いの濃い言葉なので、それをあえてアメリカ映画の邦題として採用するという時点で、ネーミングが雑に扱われている。そしてこの死霊という言葉が使われているアメリカのホラー映画は他にも結構ある。サム・ライミ(Sam Raimi)監督の『死霊のはらわた』(The Evil Dead)とか、ジョージ・A・ロメロ(George Andrew Romero)監督の『死霊のえじき』(Day of the Dead)とか、トビー・フーパー(Tobe Hooper)監督の『死霊伝説』(Salem's Lot)とか、A. C. スティーヴン(Stephen C. Apostolof)監督の『死霊の盆踊り』(Orgy of the Dead)とか・・・、とりあえず死霊って使っておけば怖いだろという安易さが垣間見える。そしてこれらの作品の中にはゾンビ映画や吸血鬼映画も含まれている。吸血鬼は源流を辿れば霊的な存在でもあるが、ゾンビはどう考えても死霊ではない。そして死体だとは言いつつも、本質的には生体的存在である。

 

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というわけで、外国映画の邦題に対する「死霊」という言葉の規制を厳密に行うべきであろう。

 

さて、無駄話だけで終わってしまうといけないので、本題に移ろう。

 

アナベル:死霊人形の誕生』は、先にも少しだけ触れたが、ジェームズ・ワン監督の『死霊館』に端を発する「コンジュリング・ユニバース」に属する映画作品である。

 

この作品群としては、ワン監督による『死霊館』と『死霊館 エンフィールド事件』(The Conjuring 2)、ジョン・R・レオネッティ(John Robert Leonetti)監督による『アナベル 死霊館の人形』(Annabelle)、そしてこのレオネッティ監督の『アナベル 死霊館の人形』の前日譚的な作品として、『アナベル 死霊人形の誕生』が存在する。

 

リビングデッドドールズ/ アナベル 死霊館の人形: アナベル ヴァリアント ver

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また今後、このコンジュリング・ユニバースはさらなる広がりが予定されており、2018年7月13日米国公開予定のコリン・ハーディ(Corin Hardy)監督による『ザ・ナン(原題:The Nun)』、そしてその後、へそ曲がり男に焦点をあてた『ザ・クルックドマン(原題:The Crooked Man)』の製作の話も持ち上がっている。

 

 

そんな折、『アナベル 死霊人形の誕生』公開のプロモーションとして、このコンジュリング・ユニバースを想定した短編作品コンテストが開催されていたことは、ご存じの方もいるかもしれない。つまりジェームズ・ワンのコンジュリング・ユニバースの世界観に則った短編のホラー作品を広く一般に募集し、優勝者には様々な特典が与えられるというものである。

 

そして遂に、その米国エリアでの優勝作品が発表されたのである。

 

今回は最後に、その本編映像を取り上げてみたい。

 

ジュリアン・テリー(Julian Terry)監督による『ザ・ナース(The Nurse)』という作品である。

 

短編作品のため内容の詳細は省かせていただくが、興味のある方、コンジュリング・ユニバース愛好家の方は、ぜひご覧いただきたい。

 

 

 

 

リビングデッドドールズ/ アナベル 死霊館の人形: アナベル ヴァリアント ver

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