病院に潜む邪悪な“ツメ”の怪物、シャウナ・マクドナルド主演のホスピタル・ホラー『NAILS』。
かつて学生時代にアルバイトをしていたバイト先の店長が、ちなみに女性なのだが、若い頃に大病を患って長らく病院に入院していたことがあったらしい。
仕事中の雑談の中で彼女が時々当時の病院での生活のことを話してくれたのだが、その中心となっているのが、「病院内は幽霊とか化け物だらけだった!」という恐ろしい話。
店長は小さい頃から強い霊感の持ち主で、見えない人にはまったく見えない怪しげな存在が、わりとはっきり見える質だったらしい。だからその病院での生活の中で、廊下だったりトイレだったりでずいぶん怖い目にあったから、もう病院なんて入院したくないと話していた。
ある時トイレで、突然何かに髪の毛を掴まれて引きずり回されている瞬間を、側にいた看護婦さんが見ていて衝撃を受けたそうである。もちろん、その看護婦さんには、髪の毛を引っ張っている“なにか”の存在は見えていないわけだからさ、と店長は言って笑っていた。看護婦さんの目には、髪の毛が不自然に逆立った店長が、仰向けでトイレの床をズリズリ這い回っているように見えたのだという・・・。
さて、今回取り上げるのは、病院に入院した女性が体験する恐怖を描いたホラー映画の話題。
デニス・バートク(Dennis Bartok)監督によるアイルランド映画『Nails』(ネイルズ)、爪だね、たぶん“ツメ”っていうタイトリングだね。
image source : Nails (2016)
そして本作品で主人公のダナ・ミルグロムを演じているのは、あの恐怖の穴居人ホラー映画『ディセント』(The Descent)に出演していたシャウナ・マクドナルド(Shauna Macdonald)。
ストーリーラインはと言えば、陸上競技のコーチを生業としている主人公のダナが、ある日の交通事故で大怪我を負ってしまう。病院に運ばれ一命は取り留めた彼女だったのだが、全身麻痺という状態に陥ってしまい、人工音声プログラムを介してでないとまともに会話も出来なくなってしまっている。そんな入院中の彼女がある日、病院内に、そして自分の病室の中に、何か邪悪な存在がいることを感じだす。そしてその“なにか”が、彼女の命を狙っているのではないかと、そう確信するようになってゆく・・・、という物語。
ぼくもかつて、ずいぶん幼い頃だが、検査入院というカタチで一週間ほど病院に入院したことがある。その時に、なにか怖いものを見たとか、怖い目にあったとかいう記憶はないのだが、前述のバイト先の店長の話のように、特殊な能力を持った人の話を聞く限りだと、皆口を揃えて、「病院は化け物の巣窟だよ!」という話をする。
もしかしたら、実際に本作品のような体験をしている人も、世の中にはいるのかもしれない、というわけで、予告編が公開されているので、お暇なホラー映画愛好家は、ぜひご覧いただきたい。ちなみに本作品は2017年2月20日に、アウディ・ダブリン国際映画祭(ADIFF)にて公開を迎えるということである。
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月白貉