随筆-きみぼくめし
小学生の頃、土曜日に学校が午前中で終わって家に帰ってくると、お昼ごはんはたいてい焼きそばだったような気がする。 まあもちろん毎回毎回焼きそばだったはずはないけれど、毎回毎回に近いほど焼きそばではあったとぼくの脳ミソには記憶されている。 当時…
去年の夏だったか、80歳になるお母さんがたった一人で切り盛りする、とある島の民宿に滞在した。 体を壊して久しく宿を閉めていたというお母さんだが、なぜか電話を掛けた際に、「まあ頑張ってみるか!」と言って予約を受けてくれた。 「さっきも電話があっ…
ときどきハンバーガーが無性に食べたくなる。 学生の頃だったら、迷わず近所のファーストフード店に駆け込んだろうが、あの類のハンバーガーを食べなくなってもうずいぶん長い時間が流れ去った。 世の中にはファーストフードのおぞましい噂が数多く存在する…
お子様ランチのイメージって、やっぱり丸く盛られたごはんの上の「旗」じゃないかと思う。 久しくお子様ランチなんて、食べてもいないし見てもいないから、今の時代のお子様ランチはもっと違ったものになっているのかもしれないけれど、ぼくが子どもの頃のお…
タイ王国にはまだ行ったことがないが、タイ料理は美味しい。 本場で食べてもいないのに、何を生意気なこと言ってんだと思われるかもしれないが、昔、東京に住んでいた頃、家の近所にタイ料理屋が二軒あって、時々タイ料理を食べに行ったりテイクアウトで自宅…
朝ごはんに目玉焼きがあるのとないのでは、おおいなる差がある。 目玉焼き自体がそれほど好きなわけではないのだが、朝ごはんのメインが目玉焼きとなると話が違ってくる。 朝ごはんの目玉焼きは大の好物である。もちろん調味料は、醤油派。塩やコショウやマ…
一年ほど前の夕ごはん、おそらくこの日は肉が食べたかったのだろう。 近所で煮込み用の牛スネ肉を半額で買ってきて(あるいは狩ってきて)、それを薄めにスライスしてステーキにしてみる。 シンプルに塩と胡椒のみだが、保険のためにバルサミコをベースにし…
冷蔵庫の残り物を一掃しようと思いたつと、楽しくなってしまって、やけにおかずの品数が多くなる。 おかすが多くなれば多くなるほど、それを小鉢で机にひろげ、日本酒なんか呑みたくて仕方がなくなってしまう。嗚呼、酒呑みの性め。 蛸とズッキーニとパプリ…
漬物が大の好物である。 ごはんのお供に漬物がないといっこうに何も始まらない気がしてしまう。 ぼくが毎日食べている漬物は、基本的にほとんど自宅のぬか床で漬けている。ぬか床は東京に暮らしている頃にはじめてみたのだが、いちど管理を怠って駄目にして…
子どもの頃からずっと、ぼくの家では朝ごはんっていうものがずいぶんイイカゲンな扱いだった。 たぶんあまり料理をしなかった母がイイカゲンだったんだろうと思う。 家は両親共働きで、食事のほとんどを祖母が作っていた。祖母は料理がとても上手な人で、も…
ずいぶん昔にとある知人から頂いたアルファ化米の赤飯が台所に眠っていることに気がついたので、朝食に食べてみることにした。 とくにめでたいことがあったわけではなく、消費である。 ちなみに記載されている賞味期限はゆうに一年以上過ぎていたのだが、ま…
豆腐は絹派か木綿派かといわれれば、ぼくは生粋の絹派である。 それが原因かどうかはわからないが、木綿豆腐を買ってくると、冷蔵庫の中で傷ませてしまうことが多い。 絹を冷蔵庫の中で腐らせた記憶はまったくないが、木綿は気付くと腐らせているケースがよ…
毎日毎日ごはんの写真を撮っているけれど、なんとなく持て余してしまっているので、適当な感じでウェブログに綴ろうと思いました。 タイトルは「きみぼくめし」。 というわけで、きょうから「きみぼくめし」はじめます。 食べたものと、その時食べながら話し…
ずいぶん前のごはんのことを思い出すのってなかなか困難です。 でも写真があると、割と思い出します。 ハマチの刺し身、ハマチのあら炊き、柿と自家製チーズのサラダ、かぼちゃの煮物。写真にはありませんが、新米の玄米を海苔で巻いたもの、高菜の油炒め、…