ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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スペイン版“コックリさん”映画『VERÓNICA』、本当は恐いから“ウィジャボード”はやっちゃダメ!

Verónica

image source : VERÓNICA, dirigida por Paco Plaza. Teaser Tráiler Oficial HD. En cines 25 de agosto

 

“コックリさん”という遊びをやったことがあるだろうか?

 

まあ、あれが遊びなのかどうかはさておき、ぼくは今まで一度もやったことがない。

 

関連記事祖父が教えてくれた、ハイパーコックリさんの話。

 

このコックリというのは、漢字では“狐狗狸”と書くとも言われ、字の如く狐やら狸やらある種の動物霊を呼び出す降霊術だとされているが、ケースによっては正体不明のものが呼び出される場合もあると聞き及んでいる。

 

ただ実際には霊的なものではなく、集団催眠とか潜在意識に関係しているという話もあるが。

 

そのやり方は、やったことのある方はご存知だと思うが、大きめの紙などに鳥居、五十音の文字、数字、また“はい”と“いいえ”などの文字を書き入れ、その紙の上に五円や十円などの硬貨を置き、参加者全員がその硬貨に指を乗せてコックリさんを呼び出し、色々と質問を繰り広げると指を置いた硬貨が勝手に動き出して質問に答えてくれるという、例のアレである。

 

この起源は西洋の心霊主義における“テーブル・ターニング”だという説もあるらしいが、日本独自の土着信仰などにおける民俗儀礼などにも関わりがあるのではないのかと個人的には思っている。

 

日本では1970年代に、特に子供たちの間で爆発的に流行したが、遊び半分でこの儀式をやっていた子供たちの中には、精神に異常をきたしてしまったというケースもあったらしく、学校などでは厳重禁止令が出された地域もあったそうである。

 

さて、今回取り上げる話題は、このコックリさんの西洋版とも言える“ウィジャボード”(Ouijaboard)をテーマにしたホラー映画である。

 

スペインの映画監督パコ・プラサ(Paco Plaza)による『Verónica』(ヴェロニカ)という作品、タイトルは主人公の女性の名前から採られている。

 

ちなみに、このパコ・プラサ監督は2007年公開のスペイン映画『REC/レック』([Rec])で、ジャウマ・バラゲロ(Jaume Balagueró)と共同監督を務めている人物である。

 

REC/レック』の予告編を取り上げておくので、興味のある方はどうぞ。

 

 

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さて本作品のストーリーラインであるが、主人公のヴェロニカがウィジャボードを使って儀式を行い、死んだ父親の霊を呼び出そうとするのだが・・・、という物語らしい。

 

このウィジャボードとは、前述のコックリさんと同様の降霊術あるいは心霊術に使用する文字盤のことであるが、この文字盤は降霊術をやや崩して娯楽として楽しむために、1892年にパーカー・ブラザース(Parker Brothers.)という会社が占いゲーム用品として発売した商品だそうである。ウィジャ(Ouija)という言葉は、フランス語で「はい」を意味する「Oui」と、ドイツ語で「はい」を意味する「Ja」を繋げた造語だという。

 

やり方は、コックリさんとだいたい同じようなもので、木製の文字盤には、アルファベット、数字、“YES”と“NO”などが記されていて、こちらは硬貨ではなくプランシェットという専用の道具に参加者が指を乗せて云々、というもの。地域によってはプランシェットではなく別なものを使用する場合もあるらしいが。

 

関連記事呼び出してはいけない西洋コックリさん、『DON’T MOVE』に隠された邪悪な遊戯の玉手箱。

 

そして余談として、アメリカ海軍では航空母艦などで行われる、艦載機等の駐機、格納、発着艦計画を検討するための机上演習盤のことを“ウィジャボード”と呼ぶらしいが、その由来については不明だといわれている。なんだかちょっと不気味な話ではある。

 

さて余計な話をふんだんに盛り込んでしまったが、本作品はおそらく、コックリさんとかウィジャボードとか、安易な降霊術はあぶねえぞ!という内容だと思う。

 

というわけで、その初公開となる予告編が公開されているので、興味のある方はご覧いただきたい。個人的には本筋とはまったく関係なさそうな尼僧のシーンがすごく怖ろしかったけれど・・・、まあそれは観てのお楽しみということで。

 

 

 

 

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月白貉 - Mujina Tsukishiro