ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲が自らの感覚で日本を歩きまわって見聞を広めたように、故郷を離れて旅を続けるぼくが、ぼくの感覚でその土地を歩き回って、見たり聞いたり嗅いだり触ったりした、ぼくの見聞録です。

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明
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“自撮り写真ホラー”っていうジャンルがあるでしょ?王道ネオ怪談ホラーの秀作『SELFIE』。

昨日の夕食後に、ガラクタ赤ワインを飲みながら、某有名怪談タレントの話す怪談話の動画を観ていた。

 

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よくよく聞いていると、話の筋は結構グチャグチャで、結局オチがあるとか、恐怖の正体が厳密には何なのかとか、どうやったら逃れられるのかとか、そういうことは二の次な怪談話だということに気が付いた。実際には随分前から彼の話のそういう傾向には気が付いていたのだけれど、まあそれはさておき。

 

さらには時々口調が早すぎて何言ってるのかわからなかったり、まったく日常的な怪談でもなんでもない話が挿入されていたりする。つまり通常の構成的な面から捉えると、例えば講談師や落語家が話すような怪談とはまったく趣の異なるものなのである。

 

しかしその話は、なんだかわからないけれど、常軌を逸してとんでもなく怖いのだ。

 

怪談なんてものは、だいたい幾つかのパターンに分類される話しかない。きちんと聞いていると、ストーリーラインだけからみれば、ほぼ聞いたことのある同じシチュエーションのお決まりの物語なのである。オチだって知っている。けれど、その何度も何度も聞いたことのある話でも、話す人によっては異常な恐ろしさを醸し出すことがある。そしてそれは単に話術とかテクニックとかいうことだけにはとどまらない気がする。

 

怪談師の能力値とは、誰でも見たことのある路傍の単なる石ころを、金やら銀やらに変えることが出来る特殊能力の域なのではないだろうか。何かの話を口から発するだけでも、それを異常な恐怖に変換することが出来る能力、つまり前述の怪談タレントは錬金術師か魔術師か、そういった部類なのである。

 

さて、インターネット上には昨今様々な短編映像作品が転がっている。個人的にはその中でも恐怖を題材にした作品を好んで漁っている。そしてふと気が付いたのだが、前述の怪談の話と同じで、ストーリーラインだけから見れば、多くの作品は似たり寄ったりなものがほとんどである。オチもだいたいわかっている。だから当たり前にそれを映像にしても怖くもないしおもしろくもないはずなのだが、時々とんでもなく怖いものがある。知っている話だし、オチもだいたい分かる、でも異常に怖い。もちろんより具体的な映像という表現になってくると、前述の怪談とはまたちょっと違って、表現的なテクニックも重要になってくるかもしれない。あとはアイデアとかね。ただアイデアベースに特化しすぎて、一方でまったく知らない奇抜な恐怖を描こうとしている作品もあるのだけれど、そういう作品の多くは意外とまったく怖くなかったりする。

 

では、人は何を怖いと思うのかということだが、日常に潜む、まったく怖くもなんともない要素、怪談にもなりえないしホラー映画にもなりえないもののすぐ裏側に潜んでいるものが、じつはやたらと怖いのである。子供の頃、公園や雑木林に転がっている何気ない石を裏返すと、そこには奇妙で様々な虫たちがゾワゾワと蠢いていてゾッとするという経験をしたことのある方は多いと思うが、あれはやや悪夢じみていて非常に恐ろしい。そういうことに似ていると思う。

 

例えば、玄関のドアをノックされるとか、窓から見える景色の中を人影が横切るとか、電話がかかってくるとか。そんなことは当たり前の日常でしかない。けれど、そういうことの裏には凄まじい恐怖が隠れている。

 

今回取り上げるのは、誰でも知っているような昨今のメディアを絡めた怪談話の映像作品である。

 

ジェフ・ハーマー(Geoff Harmer)監督による『Selfie』。

 

このタイトルになっている“Selfie”とは、スマートフォンで自分自身を撮影し、SNSなどにアップロードされた“自撮り写真”を表すスラング英語である。

 

勘のいい方は、すでにこの時点で、今回取り上げるホラー作品のおおよその物語がわかったはずである。スマートフォンSNS、自撮り写真、これらの要素は近年のメディア系ネオ怪談における三種の神器と言っても過言ではない。そしてこれらは当然、誰でも知っているし活用している当たり前の日常である。

 

Selfie

image source : Selfie

 

そしてこの自撮り写真に絡めた恐怖表現というのは、メジャーの長編作品からアマチュアの短編作品まで幅広く溢れて用いられている。同じような話は個人的にも何度となく観ているし、やや観飽きている。もはやホラー映画のジャンルにさえ、なりつつあるかもしれない。

 

けれど、本作品は、なかなか怖いのである。

 

というわけで、もし興味のある方は、ぜひご覧いただきたい。まあ映像作品における恐怖の好みというのは個人差があるので、まったくつまらないと感じる方もいるかもしれないけれど、そのことについては一切関知しないのであしからず。

 

 

 

 

 

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