ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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暗殺任務に失敗し、砂漠で孤立したひとりのスナイパー『MINE』。

大学の時に知り合いになった韓国人の中に、大学に来る前はスナイパーをしていたという経歴の人がいた。まあ韓国には兵役があるそうなので、人によってはそういうケースもあるのだろうけれど、なんだか違う世界の話のように聞こえた。

 

彼は学生時代に学生運動の指導者だったらしく、政府から特別に目を付けられていたため、兵役の際には一番ハードな部署に所属させられて38度線のあたりでスナイパーの役目を担って過ごしていたらしい。普通に話している分にはとても温和で穏やかな人だったが、共通の知り合いの話によれば“すげえ強い”ということだった。

 

スナイパーと聞くと「えっ、すごい!」と思ってしまうが、戦争を知らない日本人のぼくは漫画や映画でのスナイパーのイメージしか知らない。

 

例えば、トム・ベレンジャー(Tom Berenger)とビリー・ゼイン(Billy Zane)が出演していた『山猫は眠らない』(Sniper)とか、最近だとクリント・イーストウッド(Clint Eastwood)が監督した『アメリカン・スナイパー』(American Sniper)とか。

 

昨今の戦争映画で描かれるリアリティーについては、作品によってはドキュメンタリーとでも言えるようなものになっているかもしれないけれど、それでもただ映画を観ているのと、自らがその世界に身を投じているのとでは、その理解には雲泥の差があることは確かで、スナイパーの役割に対してぼくが漫画や映画で得た知識を単に言葉にすれば、銃で人を撃ち殺すことだが、それはおそらく理解というレベルのものではないはずであるから。

 

さて、そんな前置きがありつつ、今回は最新のスナイパー映画を取り上げてみたい。

 

ファビオ&ファビオとしても知られるイタリアの映画監督、ファビオ・グアリオーネ(Fabio Guaglione)とファビオ・レジナーロ(Fabio Resinaro)による『Mine』である。

 

Mine

image source : Mine

 

ストーリーラインは、砂漠での暗殺任務に失敗してしまった米軍人が、あるトラブルのために砂漠内にひとりで孤立してしまう姿を描いた物語である。

 

そのなかなか見応えのある予告編が公開されているので、お暇な方はぜひご覧いただきたい。ちなみに本作品はアメリカ、スペイン、イタリアの共同制作によるもので、スペインやイタリアでは2016年にすでに公開されている。アメリカでは2017年4月7日の劇場公開を予定しているとのこと。

 

では、どうぞ。

 

 

 

 

 

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