ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

follow us in feedly

テレンス・マリック最新作『SONG TO SONG』、テキサスの音楽シーンを舞台にした誘惑と裏切りの三角関係。

テレンス・マリック(Terrence Malick)の最新作『Song to Song』の予告編がついに公開されたようである。

 

Song to Song

image source : Song to Song

 

物語は、テキサス州オースティンの音楽シーンを舞台に、交差するふたつの三角関係を描いた誘惑と裏切りのラブストーリーだとのこと。

 

出演はルーニー・マーラ(Patricia Rooney Mara)、ライアン・ゴズリング(Ryan Gosling)、ナタリー・ポートマンNatalie Portman)、そしてマイケル・ファスベンダー(Michael Fassbender)。その他にもヴァル・キルマー(Val Kilmer)やベニチオ・デル・トロ(Benicio del Tor)などなど豪華な面々が顔を揃えている。

 

テレンス・マリックと言えば、映画の授賞式や映画祭にはほぼ出席することもなく、メディアへの出演やインタビューなどもほとんどないことで知られるストイックな映画監督である。彼はハーバード大学で哲学を専攻し首席で卒業、その後奨学金を得てオックスフォードの大学院に進んでいるという辺りからも、その気質は何となく伺える。現在でも、一体どこに住んでいるのかさえ謎だということである。

 

ぼくのテレンス・マリック作品の思い出と言えば、『天国の日々』(Days of Heaven)の後、20年ぶりに監督として復帰した作品『シン・レッド・ライン』(The Thin Red Line)である。1999年の劇場公開当時ぼくは恋をしていて、その相手を映画に誘って新宿の小さな映画館で観たのが『シン・レッド・ライン』だった。

 

本来ならそういうケースの映画鑑賞であれば、映画は二の次で、その後女の子にどうアプローチしていこうかということに気が行ってしまうところなのだが、その時は物語の冒頭からガシッと心を掴まれてしまって、観終わった後も女の子のことなどすっかり忘れて、映画のことばかりが頭を埋め尽くしていたという記憶がある。

 

そんな風だったからもちろん、デートの後はまったく何事もなく、程なくしてその一方的な恋は終わりを迎えた。ただその時あの女の子と、小さな映画館の最前列、スクリーンに手が届くような場所で観た『シン・レッド・ライン』のことを、今でも鮮明に覚えている。

 

というわけで、最新作『Song to Song』の予告編、興味のある方はぜひご覧いただきたい。アメリカでの公開は2017年3月17日だそうですよ。

 

 

 

 

DAYS OF HEAVEN

DAYS OF HEAVEN

 

 

映画これがホラー映画の“マナー”『NIGHT OF THE SLASHER』、スラッシャーの“決まりごと”よ永遠に。 - ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

映画地獄と最悪がそこにある、ジョン・カーペンターを彷彿とさせる新たな恐怖神話『THE VOID』。

映画プルイット・テイラー・ヴィンス怪演、悪魔に取り憑かれた画家を描く『THE DEVIL'S CANDY』。

映画人工妊娠中絶をテーマに扱ったホラー映画『BLESSED ARE THE CHILDREN』、それは一体誰の復讐なのか。

ミュージックビデオ狂気のサーカス逆再生、LENINGRADのミュージック・ビデオ『KOLSHIK』。

映画地下道にある異界の入口を描いた『ПЕРЕХОД - THE CROSSING』、新宿にもこんな場所があるかもしれない。

映画カニバルでディストピアなラブストーリー、アナ・リリー・アミールポアー監督の『THE BAD BATCH』。

 

 

月白貉