ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

follow us in feedly

2017年のハロウィンは、『悪魔のいけにえ』がトレンドと相場が決まっている。

2016年のハロウィン前後に世間を騒がせた例の“ピエロ目撃騒動”、記憶に新しいね、という方も多いと思うが、その後、不気味なことにハロウィンが過ぎ去ってしまうとすっかり影を潜めた。

 

関連記事2017年に忍び寄るペニーワイズの影、2016年に全米を震え上がらせたピエロ騒動は終結したのか?

 

全米どころか全世界が震え上がり、FBIが捜査に乗り出したり、スティーヴン・キングやらジョン・カーペンターが苦言を呈したり、マクドナルドの“アイツ”の露出が自粛されたりと、半ば“ピエロの黙示録”的な様相を呈していたが、あの騒ぎはどこへやら。

 

まあ日本にはあまり影響を及ぼさなかったようなので、情報が見えにくいだけで、米国や諸外国では今でも絶賛継続中ということもあるかもしれないけれど。

 

ちなみに日本でのピエロの呼び名である「道化」という言葉が、戦国武将の斎藤道三の家臣、“道家某”の名に由来するという説に倣って、日本では不気味な風体の武士が日本刀を振り回しながら各地に出現するという“道家目撃騒動”が巻き起こると個人的には予想していたが、まったくそんなことは起こらなかったようで、ほっと胸をなでおろしつつ、わずかに残念であった。

 

さて、そんなことの影響もあり米国のコスチューム業界では、一番の書き入れ時であるハロウィン・シーズンにピエロのマスクや衣装がずいぶんな売れ行きを見せたとか見せなかったとかいう話もあった。つまりは、ピエロは2016年におけるハロウィンのトレンドともなっていたようである。光と影は同じものだということだろう。

 

というわけで、そろそろ2017年におけるハロウィンのことを考え出している方も多いはずな昨今、「まだ早すぎるだろ。」という声もあるかもしれないが、何ごとも善は急げということで、個人的に注目しているハロウィン・グッズの話題を取り上げてみたいと思う。

 

それは何を隠そう、米国のコスチューム業界の中でも知る人ぞ知る、かの「トリック・オア・トリート・スタジオ」(Trick or Treat Studios)がリリースを発表している『悪魔のいけにえ』(The Texas Chainsaw Massacre)関連のラインナップである。

 

本作品に関しての説明はもちろん不要だと思うが、少しだけ。

 

悪魔のいけにえ』は1974年に公開されたアメリカ映画であり、監督は本作品で大いに脚光を浴びたトビー・フーパー。公開からもう40年以上も経っているが、現在でも熱烈なファンや愛好家は多く、根強い人気のある作品である。また本作品のマスターフィルムはその描写の芸術性を高く評価されて、ニューヨーク近代美術館に永久保存されているらしい。

 

スティーヴン・スピルバーグが本作品を非常に評価して、自身の製作によるあの『ポルターガイスト』(Poltergeist)の監督にトビー・フーパーを抜擢したことは有名であり、ただ完成した作品があまりにも恐ろし過ぎたために、「やりすぎだよ、バカ。」と怒られたとか怒られなかったとかいう話も耳にする。

 

そして本作品と言えば、やはり“レザーフェイス”ことババ・ソーヤーを筆頭とするソーヤー家族の強烈なイメージが見所のひとつだが、そういえば先頃リリースされた『バイオハザード7 レジデント イービル』において、『悪魔のいけにえ』の劇中におけるソーヤー家族の食事風景としか思えないシーンが描かれていて、「パクリか!」と物議を醸し出していた。まあオマージュなのだろうけれど・・・、確かにあれはそのまま過ぎである。

 

余談だが、あの劇中の食事風景は、実は監督自身の幼少期の体験による影響が色濃く反映されているという話がある。つまり、トビー・フーパーが幼い頃、家族と食事を共にすることに恐怖を感じていたということらしいのだが・・・、まあ、あんなにおぞましいものではなかったにせよ、何か複雑な家庭の事情があったのかもしれない・・・。

 

というわけで前置きが長くなったが、前述のトリック・オア・トリート・スタジオから以下のような新作のリリースが予定されていて、すでに事前注文を受付中。

 

 

リリースされるのはレザーフェイスの通常マスクが2種類と、食事中にかぶっている化粧をしているプリティーなマスク、そしてソーヤー家のグランパのマスク、同じくグランマのマスク、さらにはアルティメットなスキナーマスクなるものもある・・・、マスク以外にも、レザーフェイスが人間を吊り下げているミート・フックや、食事中にも登場するスレッジハンマーなんかもリリースされるらしい・・・、すごいね・・・。

 

The Texas Chain Saw Massacre Masks

image source : http://www.trickortreatstudios.com/

 

この情報を知って心躍る人が果たしてどれほどいるのかはわからないが・・・、ぼくは正直、ちょっと欲しいなあと思う、テキサス派である。もういくつ寝るとやってくるハロウィンに「今年こそ仮装をするぞ!」と勇んでいる方には、是非オススメしたい。まあここまでマスクの完成度が高いと衣装にも困るかもしれないし、レザーフェイスの仮装をするなら体型も重要かもね・・・。

 

さて最後にまた余談だが、このグランパのことをぼくは長らくソーヤー家の祖父だとばかり思っていたのだが、これはどうやら父親だということ。テキサスあたりでは父親のことをグランパと呼ぶらしいんだって・・・、たしか137歳だったけど、いくつの時の子供たちだよ・・・。

 

というわけで〆はもちろん、公開当時の予告編をどうぞ。

 

 

 

 

映画特殊な“フォース”を持った男の超常ホラー『FORCES』、例の超有名SF映画へのオマージュ?

映画誘拐したのは悪魔!?アラステア・オアによる超常誘拐ホラー『From a House on Willow Street』。

映画映画みたいな口づけを、唇に映画の世界を表現したリップアートに魅了される。

映画病院に潜む邪悪な“ツメ”の怪物、シャウナ・マクドナルド主演のホスピタル・ホラー『NAILS』。

映画『ブレードランナー』へのラブレター、80年代SF映画への愛を込めた短編SF作品『SLICE OF LIFE』。

アニメーションスタジオジブリ作品の北米版Blu-rayは、本国だと1500円くらいだしジャケットもかっこいい。

映画S・キューブリック監督の『シャイニング』をクレイジーに“リミックス”した短編映画、『THE CHICKENING』の世界へようこそ。

映画“マッドマックス“的に荒廃した世界で戦う、チャック・ハンクとサンディエゴ兄弟の物語『CHUCK HANK AND THE SAN DIEGO TWINS』。

 

 

月白貉