ノンノン、エルキュール・ポアロの最後日記。
怖い話を書きたいなあって、この一週間くらいずっと考えてるんだけれど、なんだかうまく頭がまわらない。
最近なにか怖いことってあったかなあと、改めて頭の中をさまよう。
朝起きて、昨夜閉めたと思っていたカーテンが全開だった日があった。
その次の日に、朝、雨が降っていたのでカーテンを閉めたまま外出したはずなんだけれど、帰ってきたらカーテンが全開だった。
もしかしたら、無意識に、習慣的な行動として、自分で開けているのかもしれない。でもそれだったら毎日のことだから、その日だけ「あれっ?」って思ったことが、ちょっと気がかりで、まあ言うなればちょっと怖かった。
そういうこと、時々あるよね。
「あれ、さっき机の上においたハサミがなくなってる・・・?」
小一時間くらい必死で探しまくっても、机の上に置いたはずのハサミがまったく見つからない。
でも、次瞬間、机の上に、机のど真ん中にハサミはポツンと置いてある。
いやいやいや、なかったし!!!さっきまで完全になかったし!!!
そういうことある。
昔から「神隠し」って言われるものって、そういう事柄なんだろう。
数年前の話だけれど、知り合いのお父さんが海に漁に出て、いなくなった。船も、お父さんも、見つかっていないと聞いた。
死ぬってことと、消え失せるってこととは、例えば自分が知らない場所で起こっている現実があるとしても、それを受け止める側にしたら、ずいぶん違う話だよなあと思う。いや違うとかじゃなく、消えるってことは、根本的に異なった部類の、異なった次元の出来事のように思う。実際に、異次元に足を突っ込んだ出来事なのかもしれない。
カーテンは消えていないけれど、全開だった。
いっそのこと、カーテンがぜんぶ消えていたら、怖いとも思わなかっただろうに。
でも中途半端に、知らないうちに開いているという状態、なんだかそういう中途半端な謎って怖いんだよ、意味不明だし。
もう眠い。
ニッキカイタカラ、ネムリル、レルラレル。
カーテンってさ、必要ない!って気がしている瞬発力な、午前零時。
おやすみDeath.