ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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ビューティフルワールド、そして日記へ。

昨夜、わが日常の一幕にエリア常駐型ちっこす仔猫出現の衝撃を日記に書き終えて(衝撃はぜんぜん表現されてなかったけれど)、ぼんやり赤ワインを飲んでいたら、軽く握って机の上に何気なく置いていた右手の掌の内側が、コソコソする。

 

なんだか嫌な感じに、コソコソする。

 

ハッとして、手を開くと、やけにカラフルな蛾が・・・、手のひらの三分の一くらいの大きさの蛾が、手の平にしがみついて羽ばたいている。

 

「あっ・・・、」っと、そのカラフル具合に一瞬心が揺れるも、唐突な蛾の出現に、しかもその大きさと、体に密着しすぎているという事実に困惑し、何かの呪縛か制約が発動するかのごとくして、その蛾を机に叩きつけて、潰し殺してしまう。

 

その後、また少しワインを飲みなが考えていたんだけれど、あっ、ちゃんと手を洗ってからワインを飲み直したよ。得体の知れないカラフル鱗粉に未知の毒があって、手がウロコ状になったり、飛散したカラフル鱗粉がワインに入り、その毒の影響で翌日脚が腐っていたりしたら、嫌だもの。

 

まあそれはさておき、時々さあ、ありえない大きさの虫が知らないうちに体に引っ付いていることがある。蛾ならまだいいほうで、噛み付く系の甲虫が首や腕に知らない間にくっついていて、噛まれてすげ〜痛くて気が付いて「むき〜っ!」ってなったことがたくさんある。

 

あ、思い出した、ある夏、ぼくはセミに腕を刺されたことがある、あれはかなり恐怖度が高い。それ以来、セミはちょっとこわい。蚊みたいな見えない、ほとんど見えない針じゃなくて、小洒落たファーストフードのコーラについてくる細身のストローくらいある針だからな。あれで腕を刺された。

 

あの針、樹に刺すやつだろ・・・。

 

そしていま、天井にアリグモがいて、ちょっと嫌だ。

 

アリグモってものを、つい二年ほど前に知った。アリにしか見えないからずっとアリだと思ってて、でも逃げる時に尻から糸を出す。アリって糸を出すんだなあって思ってて、ある日図書館でアホみたいに大きな蜘蛛の図鑑を見ていたら、アリグモっていう、アリにしか見えない蜘蛛のことが書かれていて、「ぎゃふん」と言ってしまった。

 

家の中だけの空間でさえ、まったく知らない虫がウヨウヨいる。

 

なんだかそう考えると、自分の知っている世界の規模って、なんなんだろうなあ。

 

あの掌の蛾は、いったい、いつ、ぼくの掌の中に入ってきたんだろう。

 

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