ホラー映画史上最も恐ろしいシーンは、『エクソシスト3』のシザー尼僧のアレである。
今まで鑑賞した映画の中で、最も恐ろしかった映画、あるいは最も恐ろしかった映画のワンシーンは?と聞かれたら、ぼくが真っ先に思い浮かぶ映画のワンシーンがある。
まあちょっと戯言を挟むと、「最もは?」というのはなかなか困難な質問であり、こと映画においては、「最も好きな映画は?」とか「最も嫌いな映画は?」とかいう最も質問は、個人的にはあえてお断りするようにしている。
けれども、今回はその恐ろしさを強調するために、苦汁を飲んであえて「最も恐ろしい」というお題を掲げているので、あしからず。
で、まあ正直に言うと最もじゃないかもしれないけれど、真っ先に思い浮かぶという点での、いわゆる筆頭がある。
ウィリアム・ピーター・ブラッティの『エクソシスト3』(THE EXORCIST III)である。
この作品はタイトルを見てもすぐわかるように、1973年のアメリカ映画、ウィリアム・フリードキンの『エクソシスト』(The Exocist)に続く第三作目である。
この『エクソシスト』はご存じの方も多いと思うが、少女に憑依した悪魔と神父との戦いを描いたオカルト映画の至宝であり、タイトルにもなっている「エクソシスト」とは、英語で「悪魔払い(カトリック教会のエクソシスム)の祈祷師」という意味である。
この『エクソシスト』は以降、何本もの続編が製作されており、現在アメリカではリブート作品としてのTVドラマシリーズが放送中らしい。そして第一作目はもちろん名作ホラー映画であり、公開時には見送られた「スパイダーウォーク」なるシーンなどは凄まじく恐ろしいのだが、それを遥かに越す最恐のシーンが『エクソシスト3』で描かれている。
ちなみに『エクソシスト3』は、『エクソシスト』の原作者であるウィリアム・ピーター・ブラッティが、自身が最も気に入っていた登場人物のキンダーマン警部を主人公にした物語を構想して書き上げた続編『Legion』を自ら映画化した作品である。『エクソシスト2』の出来に大いに不満を持ったブラッティが、第一作目の『エクソシスト』の正当な続編として作ったものでもある。余談だが、日本の映画監督である黒沢清が、本作品に非常に影響を受けたとして絶賛しているらしい。
ではいったい、その最恐シーンとはどんなものかと言えば、まだ本作品を未鑑賞の方に配慮して本筋の詳細はここでは割愛させて頂くが、知る人ぞ知る、例の巨大なハサミを持った尼僧のシーンである。
実はぼく自身は、本作品はずいぶん昔にたった一度しか観たことがない。けれど、あのシーンだけは今でもありありと頭の中にこびり付いている。
そして、先頃この『エクソシスト3』がコレクターズ・エディションのBlu-rayとしてリリースされたそうなのだが、それを受けて、リチャード・ウェルズ(Richard Wells)といアーティストが、そのシーンに登場する最恐の尼僧を様々な映画にコラージュするというプロジェクトを始動させている。
それが非常におもしろいので、今回はそれを取り上げたかったというわけである。
というわけで、そのいくつかをここでご紹介しよう。
『007』のオープニングに尼僧。ちなみにこの尼僧は何をしようとしてるかというと、首をハサミで切り落とそうとして、背後から追いかけてくるのである・・・。
『サウンド・オブ・ミュージック』(The Sound of Music)の草原に尼僧。歌っている場合ではない。
『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(Indiana Jones and the Temple of Doom)、ラストの吊橋に尼僧。これはたぶん首じゃなくて吊橋を切ろうとしているのかな・・・。
『ロード・オブ・ザ・リング』(The Lord of the Rings: The Fellowship of the Ring)、旅の仲間の最後尾に尼僧。
『ロッキー』(Rocky)に尼僧。ロッキーのジョギングに追いついてきている、動きはやっ、競歩だな。
こんなところまで・・・、尼僧。
image source : Richard Wells (@Slippery_Jack) | Twitter
というわけで、ウェルズさんのTwitterにはこれ以外にも「尼僧」シーンが掲載されているので、興味のある方はご覧いただきたい。
Richard Wells (@Slippery_Jack) | Twitter
もしこの最恐の尼僧が気になった方は、ぜひ『エクソシスト3』を鑑賞していただきたい。以下リンクのAmazon.co.jpより詳細が御覧いただける。まあ買わなくてもレンタルとかで十分だが、ぼくは近々購入したいと思っている。
そして最後に、その尼僧のシーンとはこれである!
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月白貉