ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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外国人の目から見た、アーバン・レジェンドな口裂け女。

東京に在住する外国人女性の映画監督で、パブロ・アブセント(Pablo Absento)という人の存在を今日知った。

 

どうやら日本文化をコンセプトとしてホラーに特化した作品を製作しているようである。

 

彼女はジャーナリストと脚本家の学位を取得後に、数年間ヨーロッパのTV局で様々なタイプの番組やドキュメンタリー作品の制作を仕事としていたようである。その後、より自由で創造的な作品を作るためにTV局を退職、世界中を旅しながらフリーランサーとして、長編映画の助監督や脚本を担当してきたということである。 

 

そんな彼女の作品、ジャパニーズ・レジェンド(Japanese Legends)という連作の最新作『SLIT』が、現在YouTubeにアップされている。

 

期間限定だそうなので、鑑賞はお早めに。

 

 

この作品は、日本人ならおそらく誰でも知っている有名な都市伝説、「口裂け女」をコンセプトに作られている。

 

SLIT

image source : Pablo Absento - YouTube

 

舞台となっているのは日本だが、登場人物は西洋人、ちょっと不思議なパラレルワールド的趣を持っている。冒頭の廃屋のシーンもちょっとおしゃれなチャイナ風。

 

このアンバランスさが果たしてあえての手法なのか、あるいは外国人的な目線で日本を描くとこうなってしまうのかは定かではないが、ハリウッドの大作などを観ていても、「わざとやってるのかなあ・・・?」と疑問符が複数立ちのぼるほどに、日本国というものの表現が微妙にズレている。中国、とくに香港あたりの風景みたいに描かれるし、日本人だとして登場する役者も完全に日本人ではない場合が実に多い。押井守が描く近未来の世界観に似ている。 

 

最後にちょっとだけ個人的な感想を述べると、趣はおもしろいのだけれど、薬箱のアイデアとかはおもしろいのだけれど、いかんせん核である口裂け女にまったく技巧が凝らされていないのが・・・。 

 

うむ・・・、オープニングに凝りすぎているのも、逆効果な気がする。

 

首切ったところからはじまって、廃屋に帰ってくるという逆の流れにして、エンディングを凝ったらよかったに。

 

と個人的にはそう思う。

 

ちなみに「口裂け女」もので言えば、白石晃士の『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!FILE-01【口裂け女捕獲作戦】』が、ぼくは好きである、あれは怖くておもしろい。

 

 

 

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-01 口裂け女捕獲作戦 [DVD]

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戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-02 震える幽霊 [DVD]

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月白貉