ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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悪魔が幼い我が子を拐いにやって来る!ブランドン・クリステンセン監督『スティル/ボーン(原題:Still/Born)』

多くの人が夜間眠っている間に夢を見ると思う、まあ人によって夜間とは限らないけれど。

 

そしておそらくだが、一度も夢を見たことがない!という人はいないのではないだろうかと思うが、夢というものは起きてしまうとすぐに忘れてしまう傾向にあるので、実際には睡眠中に多くの夢を見ているけれども、起きた途端にその記憶が失われてしまって、夢など一切見ていないと思っている人は、あるいは多くいるかもしれない。

 

余談だが、かつて犬や猫と共に暮らしていた頃を思い出すと、犬や猫も睡眠中に夢を見ているようだった。寝転がって目を瞑ったまま眼球をギョロギョロ動かして、ヒャンヒャンとかニャンニャンとか叫んでいる姿をよく見かけたものである。

 

ぼくはと言えば、かなり夢を見る。つまり見た夢を起きた後もかなり覚えている。その内容は現実的なものから完全に非現実的なものまで様々であるし、きちんと色の付いた景色を伴う夢である。人によっては夢がすべてモノクロだというケースがあるそうだが、ぼくは記憶している限りではモノクロの夢など見たことがない。さらに時によっては、後から思うとそれが現実の出来事だったのか、あるいは完全なる夢だったのかと、判断に迷うようなケースも存在する。

 

さて、この夢の話は実は今回取り上げるホラー作品にはたぶんほぼ関係のない話で、けれどなぜこんな前置きから始めるのかと言えば、最後に取り上げている予告編映像の中のワンシーンに、「Someone Steling My Baby In My Dream」という言葉が一瞬だけ映し出されていて、それがなんだかものすごく気になってしまったからである。

 

この言葉は、主人公のマリー(メアリーかな)という女性が自分の身に降り掛かった奇妙な出来事をインターネットで検索しているシーンで登場しており、作品の本題となる検索結果の項目は「Woman claims demon stole her child」というものなのであるが、なぜか夢の話の方に目が行ってしまったので、ついつい冒頭からの脱線という遊びを踏まえてみたわけである。

 

夢の話に少しだけ戻ると、ぼくは男性なのでこれまでもこれからも子供を生むことはないと思うが、子供を産んだことがある、あるいは産んだばかりの女性にとって、自分の生まれたばかりの子供が誰かに盗まれるという夢は、おそらくだが相当な恐怖を伴うものではないのだろうか?もちろん、現実的に誰かにあるいは何かに盗まれる方が、そしてそういうことを想像するほうが圧倒的な恐怖かもしれないけれど、夢でもきっと怖いよね・・・、ということが書きたかった為の寄り道遠回りをご了承いただきたい。

 

というわけで今回取り上げるのは、夢ではなく現実に、自分の赤ちゃんが何者かに奪い取られてしまう!というホラー映画、ブランドン・クリステンセン(Brandon Christensen)監督による『スティル/ボーン(原題:Still/Born)』である。

 

 

作品の簡単な概要として、前述の主人公マリーは結婚して双子の子供を授かるのだが、出産時にそのひとりが死んでしまい、もうひとりだけが無事に生を受けることになる。しかしその後、彼女と彼女の子供の周囲で怪しげな出来事が頻発する。どうやら何者かが、彼女の子供を拐おうとしているようなのであるが・・・、という物語のようである。

 

この手の赤ん坊に絡んだホラー映画はわりと王道的なもので、シチュエーションや表現などは様々であるが、大抵は悪魔に目をつけられているというケースが多い。細分化ジャンルで言うならば「悪魔は赤ちゃんがお好きホラー」とでも呼べるかもしれない。

 

さて本作品の主人公マリー役を演じているのはクリスティー・バーク(Christie Burke)、そしてマリーの夫ジャック役をジェシー・モス(Jesse Moss)が演じている。

 

さらにドクター・ニールソンという役でマイケル・アイアンサイド(Michael Ironside)も出演している。

 

というわけで最後に、『スティル/ボーン』の予告編映像を取り上げておくので、興味のある方はぜひご覧いただきたい。

 

そしてぼくが気になってしまったシーンにも着目していただきたいと共に、実はもう一つ、スタンリー・キューブリック(Stanley Kubrick)監督の『シャイニング』(The Shining)に影響を受けたようなシーンも登場するので、探してみて頂きたい。

 

本作品は2018年2月9日に一部の劇場とVODにて公開とのこと。

 

 

 

 

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