ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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悪夢の詰まった草餅と、誰も買わない桜餅半額日記。

日常が混乱を極めると、夜の夢の中もまた混沌たる悪夢になることがある。

 

ぼくはどこかの和菓子工場のような場所で、餡この入った草餅を製造している。仕事ではなくなにか大学のような場所での実習的な雰囲気が漂ってる。指導をしてくれている人もぼくも、白い作業着を着ている。

 

ぼくの指導をしてくれている若い男性が、ぼくに作業を先に進めておいてくれと告げてどこかに姿を消したので、ぼくは餅をこねるための巨大な機械に材料を流し込み機械のスイッチを入れる。

 

そこで、ぼくは間違えて餅の材料だけでなく餡こも一緒に機械に投入してしまったことに気がつくが、時すでに遅く、機械の中で餅と餡こが混ざって溢れかえり機械が停止して故障してしまう。

 

大勢の作業員が機械のまわりに集まってきて、なんでこんなことをしたのかとぼくを激しく責め立てる。中には作業着を着ていない大学教授のような人物も複数混じっていて、その中のひとりがぼくを怒鳴り飛ばす。

 

「最初の講義の際にアレだけ説明したのにきいてなかったのか!」

 

すべての人々が、その後も延々と、口々にぼくを罵倒し続ける。

 

その後、その場に集ってきたすべての人々が機械を分解し、内部の清掃と修理を始める。ぼくが手伝おうとすると、「邪魔だからどけ!」と言われて追い払われる。

 

ぼくはその場を離れ、工場の外にある建物内の喫茶室のような場所でペットボトルのお茶を飲んでいる。

 

するとそこに、オーバーオールを着た金髪の若い男性が現れ、ぼくに無表情で話しかけてくる。

 

「気にするなよ。誰だって間違うことはある。何度も何度も同じ過ちを犯すことだってある。人はそういう生き物なんだ。そんなことを一々気にしてたらキリがないよ。だから気にしないほうがいい。あいつら、自分は今まで間違ったことなんか一切ないみたいな口ぶりで誰かを非難しやがる。間違いや過ちを犯さずに生きている人間なんていやしない。あいつらだって今までにもっとひどい間違いを犯してきてるのに、そして自分を責めることはしないのに、誰かが間違いを犯すとここぞとばかりに責め立てやがる。」

 

彼はずっと無表情のままぼくにそう言うと、「じゃあまた。」と言ってどこかに姿を消してしまう。

 

ディテールはもっともっと細かな夢だが、簡単に書くとそういう夢を見た。

 

機械の清掃を手伝おうとして餡こをこそげ落とすヘラを探していると、皆が使っているヘラとはまったく違った使い道のない道具を手渡されて、「おまえはこれでも使っていればいい」と言われたりするような場面もあった。

 

金髪の男性はもしかしたらぼく自身だったのかもしれない。

 

さっきスーパーに行ったら桜の葉に包まれた桜餅を売っていて、今朝の夢のことが再び頭をよぎった。桜餅は半額になっていたが、ぼくはそれに手をのばすことはなかった。

 

もし、いつか現実の世界で、今朝見た夢と同じようなことがあって、機械に間違った材料を詰め込んだのがぼくではなく、見知らぬ誰かだったとしたら、ぼくは彼を激しく責めるだろうか?あるいはバカにしたり罵倒したりするのだろうか?

 

そんな人間には決してなるまいと、心に留めよう。

 

ぼくだって毎日のように、間違いを犯しながら生きているのだから。

 

庄内の恵み屋 山形県庄内産 丸餅 草もち 600g(12個)

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月白貉