ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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みんな大好きハロウィン限定、本当は恐いハッピーセット。

ぼくは、マクドナルドの「ハッピーセット」ってものを、一度も買ったことがない。

 

マクドナルドのドライブスルーサイン

 

理由を考えてみると、ぼくがずっと幼い頃には、ハッピーセットなるものはまだなかったようだし、そもそも地元にはそんな都会的なマックとかマクドなどと呼ばれるファーストフードの店がなかったからというのもあるし、さて成長してから、自分でマクドナルドに足を運べるようになって、そしてちょっとあのハッピーなセットが気になることもあったのだが、ちょっと大人な年齢であのセットを頼むのは気が引けたし、そして今となっては、もはやマクドナルドのハンバーガーなどまったく食べなくなってしまって、今に至るからだろうと思う。

 

マクドナルドに行かなくなったのは、かのマクドナルド・ドキュメンタリー、モーガン・スパーロックの『スーパーサイズ・ミー』(Super Size Me)の影響によるところが大きいのだが、それはまた別の機会に。

 

スーパーサイズ・ミー

 

さて、話を戻して、ハッピーセットとは、あの巨大ハンバーガー・チェーンのマクドナルドが販売しているセット商品であり、英語圏ではHappy Meal(ハッピー ミール)と呼ばれている。登場したのは1979年で、日本では1987年から「お子様セット」として販売が開始されたそうである。ではそのハッピーセットとはどんなものかと言うと、基本的には子供向けに用意されているハンバーガー・セット(ナゲット・セットもあるのかな)で、日本のお子様ランチ的なものだと言えばわかりやすいのだが、セットには必ずおまけの玩具が付属してくるという、例のアレである。

 

おまけの玩具には、その時々の流行りのキャラクター商品などが登場するため、子供はもちろんだが、キャラクター商品目当ての大人のコレクターもガシガシ注文している人気の商品である。ただ、近年、このマクドナルドの食品が子供に(子供だけじゃないけど)害悪だという批判や風潮が高まり、それまでハッピーセットのおまけの王道だったディズニー作品の玩具が一切姿を消した。それはディズニー側がイメージの悪化を恐れて、全世界的に契約の更新を打ち切り、それ以降は拒否しているためだという、有名な話がある。

 

さて、このハッピーセットにインスピレーションを受けて、アメリカのグラフィック・アーティスト、Newt Cloninger-Clementsさんが、架空のハッピーセットの、まあアメリカなのでハッピーミールと呼ぶが、そのアート作品を制作している。

 

その架空のハッピーミールのおまけとなっているのが、彼自身が子供の頃に大好きだった、アメリカのホラーやSFを中心とした映画のキャラクター玩具という設定になっていて、もはやハロウィン限定のホラー版ハッピーミールの様相を呈していて、胸躍るものなのである。以下は誰もが知る名作映画『ゾンビ』(Dawn of the Dead)のハッピーミール。おまけはもちろん、ゾンビ。

 

Happy Meal

image soece : 🕸 Newt Cloninger-Clements 🕷 (@newtcloningerclements) • Instagram photos and videos

 

もしこんなハッピーミールがハロウィン限定で販売されるなら、ホラー映画愛好家のぼくとしては、不本意ながら毎日でも店に通うかもしれないという素晴らしいラインナップになっているので、少しだけご紹介したい。

 

はい、まずこちら、ホラー御三家とも言うべき、『ハロウィン』(Halloween)、『13日の金曜日』(Friday The 13th)、そして『エルム街の悪夢』(Nightmare on Elm Street)である。付属のおまけはマイケル・マイヤーズ、ジェイソン・ボーヒーズ、フレディ・クルーガー、こんなもの完全に買うでしょ。

 

Happy Meal

image soece : 🕸 Newt Cloninger-Clements 🕷 (@newtcloningerclements) • Instagram photos and videos

 

はい次、『悪魔のいけにえ』(The Texas Chain Saw Massacre)、『ヘル・レイザー』(Hellraiser、Clive Barker's Hellraiser)、そして『死霊のはらわた』(The Evil Dead)、このあたりもメジャーどころであろう。昔のホラー映画の邦題って、完全に原題を無視して、内容までも無視して付けてるよなあ・・・、悪魔とか生贄とか腸とかさあ・・・。付属の玩具は、ババ・ソーヤー、ピンヘッド、そしてアシュレー・ジェームズ・ウィリアムズ、いいねえ。

 

 

Happy Meal

image soece : 🕸 Newt Cloninger-Clements 🕷 (@newtcloningerclements) • Instagram photos and videos

 

今話題のピエロシリーズで言えば、もちろん御大『イット』(It)、ピエロ映画ではないが名作『ポルターガイスト』(Poltergeist)、そして今年公開された『31』である。『ポルターガイスト』のおまけがあのピエロの人形ってところがセンス抜群。そして『イット』のおまけはもちろんペニーワイズ。『31』にはナイフついてるから・・・、子供にはあまりおすすめできないけど。

 

Happy Meal

image soece : 🕸 Newt Cloninger-Clements 🕷 (@newtcloningerclements) • Instagram photos and videos

 

とまあこんな感じに、とんでもないハッピーミール・アートの数々を日々考え出しているようである。ちなみに、これはほんの一部で、他にもすごい数がある。興味がある方は是非、彼のインスタグラムを覗いていただきたいが、なかなかホラーに塗れているし、個性的なので・・・、苦手な方はご注意を。ちなみにハッピーミール・アートはホラーだけじゃなくて、いろんな映画があるよ。

 

 

"The Shining" Happy Meal by Newt Clements

🕸 Newt Cloninger-Clements 🕷さん(@newtcloningerclements)が投稿した写真 -

 

というわけで、ぜひ日本でも(アメリカで出てるわけじゃないけど・・・)こういう企画のハッピーセットを出していただきたいと切に願うのと共に、まあ、おまけもいいけど、前提として子供に安全な食事を販売して欲しいものでもある。 それって大事なことだよな、最後に真面目なことも言ってみる。

 

さて、それにしても、あの店のトレードマークになっているピエロ、あれが一番ホラーじゃないのかって思う人は、ぼくだけではないと思う。

 

ハッピー・スマイル・ハロウイン

 

 

 

 

 

月白貉