ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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いまカボチャのトレンドは、フランケンシュタイン。

ハロウィンにはまったく興味ないと言いながらも、このウェブログでは、ついついハロウィンのネタを扱いがちである。

 

その理由はおそらく、ぼくがアメリカのホラー映画愛好家のため、それと切っても切り離せないアメリカ文化におけるこの時期のハロウィンに、つい無意識に触れてしまうという、ある種の病気であるからだろう。

 

ちなみにハロウィンの日にパーティーに参加したり、クレイジーな仮装をして街を練り歩いたりした経験は皆無であるので、念のため。

 

さて今日は、ハロウィン直前緊急企画第二弾、ハロウィンに付き物のカボチャの話を取り上げようと思う。

 

第一弾は以下、「下手なホラー映画よりも不気味な、本当は恐いハロウィンのコスプレ写真。」と題したもので、ハロウィンこそ我が青春だと思っている方は、ぜひお読みいただきたい。

 

 

さて、皆さんはもう、ハロウィンに向けてのカボチャは確保したであろうか。

 

ちなみに、ハロウィンで必ず見かける、中身をくり抜いて、ナイフや包丁で目や鼻や口を開いて、内側にろうそくを灯したあのカボチャは、ジャック・オー・ランタン(Jack-o'-Lantern)と呼ばれている。略してジャック・ランタンとも言う。

 

ジャック・ランタンとは、アイルランドスコットランドに伝わる鬼火のようなもので、「ランタン持ちの男」というの意味である。本来は火の玉の姿をしていたり、あるいは光る衣装を身に纏うカボチャ頭の男のだったりして、別名を提灯ジャックとも言う。まあこのジャック・ランタンにはいろいろな伝承があるのだが、これは「ウィル・オー・ザ・ウィスプ」(will-o'-the-wisp)を象徴したものであると言われ、もともとはカボチャではなくカブであったそうである。

 

しかし、アメリカ大陸に移民として入ってきたアイルランド人により、アメリカでの生産量が多かったカボチャのランタンに変化したというわけで、現在でもスコットランドではカブ(ルタバガ)を使っているそうである。

 

本題に入ろう。

 

数年前からこのハロウィン時期のカボチャ商戦に、とある形をした新商品が投入されている。

 

それは何かと言えば、「フランケンシュタイン」の頭を象ったカボチャである。

  

Cinagro-Farms

image sorce: https://www.facebook.com/cinagrofarms/

 

ここで余談だが、ご存知のようにフランケンシュタインとは、あの人造人間を創り出したマッド・サイエンティストの名前であり、厳密にはあの人造人間には名前がない。だからこの場合には、フランケンシュタインズ・モンスターを象ったカボチャというのが、正確な言い方であるが、まあこの際どうでもいいけど。

 

フランケンシュタインの花嫁

 

もともとこのフランキーなカボチャは、2014年にカリフォルニア州の農家「Cinagro-Farms」のトニー・ディラ(Tony Dighera)さんによって完成されたものらしい。けれど現在は、アメリカ国内において多くの農家がこのフランケンシュタインの頭をしたカボチャを生産しているらしい。ディラさんはずいぶんな労力とコストを掛けてこのカボチャの生産に至ったようだが、特許を取らなかったのだろうか・・・。

 

Tony Dighera

image sorce: https://www.facebook.com/cinagrofarms/

 

そして、このCinagro-FarmsのFacebookが存在するのでアクセスしてみたのだが、2014年以降まったく更新されていないし、公式サイトもアクセス不能となっている・・・、大丈夫かトニー・・・。カボチャ作りが忙しすぎてインターネットなんてやってる暇ないよ、というのであれば安心だが。

 

まあそんなこんなで、このカボチャは海を渡り、いまではイギリスでもその生産が行われているらしい。イギリスの「Foxes Farm Produce」という農家では、今年もこのフランケンシュタインのカボチャのことが各種メディアで伝えられたりしている。

 

 

まあこのカボチャに関しての個人的な感想は、たしかに一瞬おもしろいなあとは思うけれど、やはりハロウィンのカボチャは、あの普通のかぼちゃに家庭それぞれで顔を描いた不気味な雰囲気の方がいいだろうなあと、そう感じる。

 

すでに別の意味合いの恐怖を含んだモンスターみたいな固有の形を持たせてしまった時点で、ジャック・ランタンとしての恐怖はまったく消え失せてしまうからね・・・。 

 

とまあそんなわけで、フランケンシュタインなカボチャの先駆者であったトニー・ディラさんの存在だけが、今や何故か奇妙にかき消されていて、それが一番の恐怖だと思ったのは、果たしてぼくだけだろうか・・・。 

 

ハッピー・フランキー・ハロウィン。

 

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月白貉