ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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『パラダイム』(John Carpenter's Prince of Darkness)

ぼくはジョン・カーペンターの映画が大好きである。

 

小学生の頃にはじめてみた観た「遊星からの物体X」は衝撃的で、その後もジョン・カーペンターの作品だとは知らずに多くの映画を幼いころに経験していた。

 

ザ・フォッグ」だったり、「ハロウィン」だったり、「ゴースト・ハンターズ」だったり、「ゼイリブ」だったり、どれもすっごく好きな映画で何度も何度も繰り返し観た。

 

 

その後も彼の映画はいろいろ観てきたのだが、まだ観ていない映画もいくつかある。そのひとつを今日はじめて観た。

 

パラダイム」である、原題は「Prince of Darkness」、正確には「John Carpenter's Prince of Darkness」。

 

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彼の映画のタイトルにはたいてい最初に「John Carpenter's」と入っているのだ、そういうところも好き。

 

原題のとおりに、キリスト教に関連した悪魔復活の話なのだが、邦題は「パラダイム」となっている。

 

John Carpenter's Prince of Darkness

 

なぜそんな邦題にしたのかは、命名者の意図を知らないのでわからないが、本編を観てみるとなんとなく意図はわかる。でも酷い邦題だと思う、ぼく個人的には、まったく納得のいかない邦題である。「プリンス・オブ・ダークネス」とか、二百五十歩譲っても「暗闇からの手」なんてふうにするべきだと思う。パラダイムって響きは謎めいていてよいのだけれど、実際に映画を観てみると、その邦題には異を唱えたい気持ちになった。

 

パラダイムとはトーマス・クーンによって提唱された概念で、

 

ものの見方や捉え方を表す言葉、現在では多くの分野で使われているらしいが、狭義には自然科学に対してのみの概念にたいする言葉であり、以下の様なことだそうだ。

 

他の対立競争する科学研究活動を棄てて、それを支持しようとする特に熱心なグループを集めるほど、前例のないユニークさを持っている。

 

その業績を中心として再構成された研究グループに解決すべきあらゆる種類の問題を提示してくれる。

 

ここではあえて映画の内容を話すことは避けるのだが、 映画を観てみると、なるほどねとは思う。

 

けれど、原題が物語の核を語っているのに対して、邦題はまったく方向違いのことを指し示している。ジョン・カーペンターが語りたがっているのは、プリンス・オブ・ダークネスなんだよなあと思う。

 

そういうことは重要なのに、日本人はくだらない放題を付けたがる。

 

話がそれてしまったのだけれど、ようは、いい邦題もあるけれど、クソみたいな邦題もあるってことだよ、悪魔諸君。

 

でも映画はすごく面白いですよ!!

 

 

 

 

月白貉