ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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ナメクジラージルロスメモリイナム

部屋の窓を開けて空気を入れ替えていたら、ふと気づくと網戸の隙間からナメクジが忍び込んできていた。

 

ああ、嫌だなあと思い、すぐさま塩をかけて、しばらく放置していた。

 

ナメクジラージルロスメモリイナム

 

戻ってきてみて、溶けているだろうと思ったのだけれど、溶けずに、体そのままで、ひっくり返って死んでいた。塩はそのひっくり返った死体の周りに山積まれていた。

 

ナメクジに塩をかけたのは十数年ぶりだけれど、溶けるんじゃなかったっけ???

 

仕方なく、ひっくり返った死体を紙に包んで、周りの塩も紙に包んで、捨てた。

 

あれ?溶けるんじゃなかったかなあ。

 

ときどき、いろんな記憶が信じられなくなる。

 

あれはナメクジじゃあなかったのだろうか、ゴミ箱の紙を開いて再び死体を見る勇気は、今のぼくには、まだないから、忘れます。

 

 

 

なめくじ艦隊―志ん生半生記 (ちくま文庫)

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皇帝塩300g

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月白貉