ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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文明崩壊後の世界を駆け抜ける“マッドマックス”的BMXアドベンチャー『ターボキッド』が衝撃的におもしろい!

昨夜、食後にスコッチをグイッと喉に流し込んでから、映画を一本鑑賞した。

 

あまり映画のレビューを書くのは好きではないのだが、好きではないのではなく嫌いなのだが(好きではないと、嫌い、の違いは重要である。)、 ここ数年に観た映画の中ではずば抜けて衝撃的におもしろかったので、レビューではないけれど、その作品の話題に触れてみたい。

 

フランソワ・シマール(François Simard)、アヌーク・ウィッセル(Anouk Whissell)、ヨアン=カール・ウィッセル(Yoann-Karl Whissell)の共同監督による『ターボキッド』(Turbo Kid)である。

 

 

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本作品のあらすじを簡潔に添えると、核戦争によって文明が崩壊した後の1997年を舞台にして描かれた『マッドマックス』的趣を色濃く持つ物語である。

 

ただ、『マッドマックス』的とは言え、石油が枯渇しているという世界観を持つため、移動は車ではなく自転車、BMXが主流となっている。

 

そして本作品の特徴は、劇中に散りばめられた様々な映画へのオマージュであろう。前述のBXM主流という設定はもちろん、ブライアン・トレンチャード=スミス(Brian Trenchard-Smith)監督による『BMXアドベンチャー』(BMX Bandits)の影響であるし、他にも様々な映画の影が見受けられる。

 

まあ個人的勝手な解釈ではあるが、例えばリドリー・スコット(Sir Ridley Scott)監督『ブレードランナー』(Blade Runner)とか、リチャード・フライシャー(Richard Fleischer)監督『ソイレント・グリーン』(Soylent Green)とか、あとはジャン=ピエール・ジュネ(Jean-Pierre Jeunet)監督『アメリ』(Le Fabuleux Destin d'Amélie Poulain)も入っているんじゃないのかなあ。さらに悪役キャラクターの中には日本の編笠をかぶった人物も登場する。編笠キャラは話によると『子連れ狼』の影響だということだが、個人的にはジョン・カーペンター(John Howard Carpenter)監督『ゴーストハンターズ』(原題:Big Trouble in Little China)に登場する「嵐の三人組」ではないのか!とほくそ笑んでしまう。映画だけではなくゲームなんかのオマージュも含まれている気がする。『ゼルダの伝説』とかね。

 

また本作品は、クラウドファンディングのインディゴーゴーでもプロジェクトを展開していたようである。

 

 

そうなってくるとやはり、ブリスターパック封入のクラシックなアクションフィギュアや、ダサかっこいい映画Tシャツなども制作されている。衝撃的に欲しい。夏は終わってしまったけれど、このTシャツを来て、アクション・フィギュアを手にして、寒空の街を闊歩したい。

 

 

 

 

さて、少しだけキャストについて触れておこう。

 

本作品の主人公キッドを演じているのはマンロー・チェンバース(Munro Chambers)、そしてヒロインのアップル役をローレンス・レボウーフ(Laurence Leboeuf)が演じている。

 

アップルにやけに心を奪われがちなのも、本作品の特徴である。

 

 

そして本作品に登場するゼウスという悪のボスキャラをマイケル・アイアンサイド(Michael Ironside)が演じている。

 

 

とまあそんなわけで、本作品未鑑賞で、もしこのわずかな情報でピンときた方は、 もうこれ以上の事前情報は頭に入れずに、ぜひ本編を鑑賞していただきたい。

 

あっ、そういえば、公開がずんずん迫ってきている今年最後のお祭り『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(Star Wars: The Last Jedi)の公式ポスターって、『ターボキッド』へのオマージュなのか!?とも思えてしまうが、まあ『ターボキッド』のポスターがすでに過去の『スター・ウォーズ』ポスターのオマージュになっているから、たまたまかぶっちゃったのかな・・・。

 

 

ちなみにだが最後に、本作品はなんと続編『ターボキッド2』の制作がすすめられているらしいのだが、その前段階として同監督たちによる『ノー・トゥモロー - ア・ターボキッド・テイルズ(原題:No Tomorrow - A Turbo Kid Tale)』という、アップルの物語を綴った前日譚的短編作品が制作されている。

 

 

その本編が公開されているので、興味のある方はぜひご覧いただきたい。ただ、もし映画本編をまだ未鑑賞の方は、映画本編鑑賞後の楽しみに、取っておいてね。

 

 

 

 

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