ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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日本人でもよくわかる、ハリケーンのカテゴリー解説動画。

ハイチで多数の死傷者を出した大型ハリケーン「マシュー(Matthew)」は、米南東部沿岸でも大きな被害を与え、フロリダ(Florida)州では現在、その影響で4人の死亡が確認されているという。

 

周辺地域では強風と豪雨、海水による道路の水没などの被害が出ており、数百万人に及ぶ住民に避難命令や外出禁止令が出され、また100万人以上が停電の影響を受けているという。

 

ハイチ通過時点ではカテゴリー4(5段階評価で2番目に強い)だったマシューはその後、米本土に近づくにつれてやや勢力を弱めたが、米国立ハリケーンセンター(NHC)の発表によれば、依然として風速は48メートル以上を保っているということである。

 

ちなみにこのハリケーンのカテゴリーは、前述のように5段階に設定されているのだが、ハリケーンというものにあまり馴染みのない日本人にしてみると、カテゴリー4とかカテゴリー1とか言われても、あまりピンとこない。

 

そして「ハリケーンって台風のことでしょ?」と思っている方も多いのではないかと思う。

 

確かに台風とハリケーンは自然現象としては同じようなものなのであるが、大人の事情か何かは知らないが、厳密にはちょっと違うのである。

 

台風とは、東経180度より西の北西太平洋および南シナ海に存在する熱帯低気圧のうち、最大風速が約17m/s以上になったものの名称であるのに対して、 ハリケーンとは、北大西洋カリブ海、メキシコ湾および西経180度より東の北東太平洋に存在する熱帯低気圧のうち、最大風速が約33m/s以上になったものの名称であるという区分がなされている。

 

そしてみなさんもよくご存知のように、台風にもハリケーンと同じようにカテゴリー的なものが存在する。テレビのニュース番組などでよく耳にする「大型で非常に強い台風が来たぜ!」とかいう例のアレである。この言い方の区分であるが、

 

強さの階級分けとしては、

 

  • 強い:33m/s(64ノット)以上~44m/s(85ノット)未満
  • 非常に強い:44m/s(85ノット)以上~54m/s(105ノット)未満
  • 猛烈な:54m/s(105ノット)以上

 

大きさの階級分けとしては、

  • 大型(大きい):500km以上~800km未満
  • 超大型(非常に大きい):800km以上

 

この階級の組み合わせで台風の威力を表現しているらしいのであるが、実に曖昧な日本的言葉でイマイチわかりにくいと感じるのは、果たしてぼくだけだろうか。「猛烈」とか「超」とかいう昭和の流行語みたいなものじゃなくて、もっとわかり易い言葉にするべきだと、個人的には前々から思っている。

 

「なんかさあ、チョ〜(語尾やや上げる)大型の来るらしいよ。」

 

「マジで〜、それってモウレツじゃね〜(語尾やや上げる)。」

 

という、よく街中で聞く若者の会話と大差がない気がする。そう考えると、ハリケーンのカテゴリーの方がずいぶんとわかりやすいし、言いやすい。

 

でもあのカテゴリーって、だいたい体感としてはどんなものなのだろうか?

 

アメリカ映画などを見ていると、劇中にハリケーン的な大型の嵐が襲ってくるシーンが登場するものがある。

 

古いものだと『オズの魔法使』(The Wizard of Oz)とか、あとは『パーフェクト ストーム』(The Perfect Storm)とか。

 

The Perfect Storm

www.imdb.com/title/tt0177971/ - © 2000 - Warner Bros. Entertainment, Inc.

 

でもやはり映画は映画、劇的に描かれているから、現実のものとはちょっと違うのじゃないのかとも思う。

 

そんな折、ハリケーンのカテゴリーをビジュアル的に説明している動画を見つけたので、ご紹介したいと思う。

 

『Why Hurricane Categories Make a Difference』というものである、ではどうぞ。

 

 

どうでしょうか、なんとなくの雰囲気はわかると思う。最初はリポーターが実際にそこに立っていると思って観ていたので、途中から、「あいつ微動だにしないなあ・・・。」と思ったが、合成であった。

 

よく日本のニュース番組では、台風の接近に伴って、リポーターが現地から状況を伝えるというシーンを見かける。なんだか強風に必死に堪えたり、豪雨に打たれたり、傘が折れ曲がったりしながら必死風のリポートをして、視聴者に対して無駄に臨場感を与えようとしているけれど、あれさあ、必要あるのかなあ?といつも思う。なんだったら、演技をしている人もいるらしいから、それはエンターテインメントであって、報道じゃないだろ。そんなことするんだったらこの動画みたいに、現地の様子を背景においた合成映像で、微動だにしないレポーターが普通に状況を伝えればいいんじゃないのだろうか。

 

日本人でもよくわかる、ハリケーンのカテゴリー解説動画。

www.youtube.com/user/TheWeatherChannel

 

まあそんなわけで、台風の報道はさておき、今回のマシューもそうだけれど、日本での地震や台風を見ていても分かる通り、自然の猛威に対しては、人間は大方無力に等しいのだなあと、そう思う。

 

それにしても、もしこの動画のあの人が、じつは合成じゃなくて単に微動だにしていないだけだったら、それはそれですごい。日本でもそういう、現地からなのにまったく微動だにせずに台風の状況をリポートする人がいるなら、それはそれで見てみたい。

 

以下にマシューの関連記事もあるので、暇にあかしている人は、ぜひ読んでいただきたい。

 


関連記事:ハリケーン「マシュー」の脅威と、それに乗じて街中を泳ぎ回るサメの恐怖。

 

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月白貉