ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

follow us in feedly

サマラ・モーガン再始動と、全米を騒がすピエロ事件の続報の話。

初秋の昼下がりの散歩を終えてから、家でウロウロとネットをさまよっていると、『Rings』というタイトルの映画の予告編を見つけた。

 

トールキンの『指輪物語』関連かしらんと思って観てみると、まったくもって違っていた。

 

ここ数年テレビは一切観ないし、ネット上の映画情報なんかにもほとんど目をやっていないので知らなかったのだが、どうやらあの、「呪いのVHS女」のハリウッド・リメイク版の続編が、また公開されるらしい。

 

しかも本国では、ハロウィン時期にぶつけてくるらしい。

 

ジャパニーズ・ホラー・ブームの火付け役ともなった、鈴木光司の同名小説『リング』を原作とするあの呪いのビデオでお馴染みの映画『リング』、そのハリウッド・リメイク版として公開された『ザ・リング』(The Ring)、それの今更ながらの、あれからいったい何年経ってんだか知らないが、続編だか最新作だかのようである。(予告編は以下のサイトで観られるよ。)

 

 

ちなみにまったく詳しいことは知らないが、リングには韓国版の『リング・ウィルス』(링)というのもあるらしい。

 

ぼくは、ハリウッド版も韓国版も観ていない。あっ、ハリウッド版はテレビでやってるのをちょこっと観た気がするなあ・・・、たしか。日本のオリジナルのものは、続編の『らせん』までは、観たと記憶している。ただ劇場版よりも、確かテレビで放送された、高橋克典とか原田芳雄とか、あとはチョイ役で雛形あきこなんかが出演していたバージョンのものが、けっこうよく出来ていて怖かった覚えがある。

 

サマラ・モーガン再始動と、全米を騒がすピエロ事件の続報の話。

 

原作はまだ、読んだことがない、残念。

 

まあ映画の方のオリジナルの『リング』とはどんな映画かとざっくり言えば、観ると死ぬと言われている呪いのビデオがあって、どうやらその元凶は山村貞子っていうヤバい超能力者らしいぜ、という話である。

 

この山村貞子というのはもちろん架空の人物であるが、彼女のモデルとなったのは、明治期から大正期にかけて実在した有名な超能力者、高橋貞子だと言われている。

 

で、まあ主人公とかが呪いのビデオ観ちゃったから、どうしようかってことでアタフタするっていう映画で、おそらくその最新作の予告編をチラッと見た限りだと、同じような話っぽい気がする。ただ、今やVHSのビデオテープなどを使っているのは、物好きのVHS愛好家か懐古主義者くらいだろうから、映画の設定としてはどうやらネットなども介せる動画ファイルになっているようである。まあ原作にもあるように、原作は読んでないから憶測だけれど、よりウイルス的なものに近くなっているのかな、わからないけれどね。

 

ここ数年の間のように思うけれど、ハリウッドでは過去のホラー映画を、特に八十年代あたりの名作と言われるホラー映画なんかをガンガンとリメイクする傾向にある。ぼく自身はホラー映画は好きだけれど、リメイクにはほとんど手を出していない。だって今さらさ、『13日の金曜日』だとか『エルム街の悪夢』だとか、あるいは『ハロウィン』だったり『悪魔のいけにえ』だったり、はたまた『フライトナイト』だったりのリメイク作ったって、絶対オリジナルなんか超えられないと思うけれど。ちなみに『フライトナイト』はすごく好きな映画で、ずいぶん前に触れています。

 

 

ましてやザ・リングそもそもリメイクなわけだし、そのまたリメイクだか続編みたいなもの作っちゃうんだなあと、果たしておもしろいのかなあと、ハリウッド、コンテンツ不足にもほどがあるんじゃないのかなあと、そんな風に思うわけである。

 

ちなみに、山村貞子のリメイク名はサマラ・モーガン(Samara Morgan)というのだけれど、その由来がどこにあるのかはまったく知らない。例えばあれを日本人の山村貞子のままリメイクしたら、そっちのほうがよっぽどコワいと思うのだけれどね。

 

リメイクの話になったんで、最後にひとつ時事ネタを。

 

最近アメリカで話題になっている、サウスカロライナ州での不気味なピエロ目撃事件の話。

 

 

あれは一説によると、かのスティーヴン・キングの原作による映画『イット』のリメイクか続編を促進するために、どこぞの頭のおかしいファンが巻き起こしているのではないかと言われているらしい。この事件は今では、コピー・キャット、つまり模倣犯が全米各地に多数出現しているらしくて、もはやサウスカロライナ州の一部に留まらず全米規模で人々を恐怖に包み込みつつあるらしい。マチェーテをもった不気味なピエロに追いかけられた人も出てきたらしいからね・・・、コワいわ・・・。

 

そして、今回のピエロ事件に対するコメントを求められたスティーヴン・キング自身はこのように回答している。

 

「もし私が今、寂しげな場所の橋の下にあのピエロが潜んでいるを目撃したら、どんなにか恐ろしいと思うことだろう。」

 

ピエロの次は、あるいはもしかしたら、YouTubeに投稿された本当の呪われた動画、あるいはサマラ・モーガンってのが、全米はおろか世界を恐怖のどん底に引きずり込むかもしれないね。

 

人はたぶん、恐怖がないと生きていけない生物なのだろうから。

 

リング (Blu-ray)

リング (Blu-ray)

 
リング 完全版 [VHS]

リング 完全版 [VHS]

 

 

 

 

 

月白貉