『エイリアン』を彷彿とさせる短編SF作品、ジェロニモ・ロッチャ監督の『ダイダロス(原題:DEDALO)』。
2017年5月19日に満を持して米国で公開されたリドリー・スコット(Sir Ridley Scott)監督の最新作『エイリアン:コヴェナント』(Alien: Covenant)。
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本作品はぼくが2017年にもっとも期待していた映画のひとつであり、随分前から首を轆轤首のようにして、そして引き千切れんばかりに長くして待ち望んでいた。そして遂に米国での公開に至ったのだが、日本での公開は同年9月15日。多くの諸外国では軒並み5月中に公開が開始される中、日本は最遅である驚愕の9月、すでに『エイリアン:コヴェナント』熱が冷めきっているであろう頃に、忘れ去られた都市アトランティスかの如き様相での公開となる。
そして現在インターネットをはじめとするあらゆる場所で飛び交っている本作品のレビュー的情報に関しては、最新の注意を払って目を向けていないと、数カ月後に訪れるであろう本編鑑賞の日の楽しみが音を立てて崩れ落ちるため、公開後以降の本作品情報に関しては注意を払うどころか、一切目を向けていない。
ちなみに、現在の興行収入に関しては、2017年5月22日の段階において米国内で約3900万ドル(2017年5月25日現在レート:約43億円)を超え、全世界的には約1億2100万ドル(2017年5月25日現在レート:約135億円)に到達しているということである。
source : www.boxofficemojo.com/movies/?id=alienparadiselost.htm
さて、この数日間は『エイリアン:コヴェナント』鑑賞欲から来る禁断症状に苛まれながら、過去の『エイリアン』(Alien)シリーズを鑑賞したりして急性の発作を抑えているが、そんな中でとある短編作品に出会ったので、その話題を取り上げてみたい。
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ジェロニモ・ロッチャ(Jerónimo Rocha)監督によるSF作品『Dedalo』(ダイダロス)である。
ロッチャ監督はポルトガルのリスボンを拠点として、「TAKE IT EASY」という名のプロダクションで、監督、アニメーター、そしてイラストレーターとして活動している人物。
物語は、宇宙貨物船兼製油所である「ダイダロス」(DÉDALO)の中で巻き起こるSFホラーであり、そのシチュエーションや作風はリドリー・スコット監督の『エイリアン』を彷彿とさせる。
作品中で登場する宇宙船舶の名称「ダイダロス」とは、ギリシア神話に登場する伝説的な大工の名前であり、「巧みな工人」を意味する。メーティオーンの子エウパラモスとアルキッペーの息子でペルディクスの兄弟、そしてクレータ島の王ミーノースの女奴隷ナウクラテーとの間の子供としてイーカロスがいるのは有名な話である。
一方『エイリアン』で登場する宇宙貨物船の名は「USCSSノストロモ号」(USCSS Nostromo)、これはイギリスの作家ジョゼフ・コンラッド(Joseph Conrad)の小説『ノストローモ』に由来している。同作品は南米にあるとされる架空の小国コスタグアナ(Costaguana)の銀鉱山の物語であり、タイトルは物語の中で人夫頭として登場するノストローモという男の名前である。作品中でのノストローモの体力と精神力が超人的だという設定は、前述のダイダロスにダブって見えるような気もするあたり、おそらく『ダイダロス』には『エイリアン』リスペクト的な要素が多分に含まれているのではないだろうか。
というわけで、興味のある方、ぼくと同じように『エイリアン:コヴェナント』欲による禁断症状に悩まされている方は、一服の清涼剤としてぜひご覧いただきたい。ちなみにだが、『エイリアン』を彷彿とさせると言えばもちろんクリーチャーが登場する。しかし正直言ってそのクオリティーは如何とも言い難いが、作品としてのクオリティーは優れたものだと個人的には感じる作品である。
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