インド人もびっくり、S・キング原作『イット』のインド版ドラマ『Woh』、その恐怖をきみはもう目撃したか。
このウェブログでも何度かお伝えした、アメリカで今話題の不気味なピエロの目撃事件は、現在でも依然として続いている。
各地での様々な目撃情報や、ソーシャルメディアを介しての写真や動画や噂の伝播、そしてさらにはピエロを名乗る者からの子供たちへの犯行予告などにまで至っており、地域によっては問題が大いに深刻化し、FBIに調査を依頼するというところまで来てしまっている。その多くがあるいは、イタズラや遊び半分のコピーキャット的なものなのかもしれないが、もしかしたら、来るハロウィンという舞台に向けての、恐怖のカウントダウンになるかもしれない。
ちなみにTwitterやらFacebookやらInstagramには、追いきれないくらいのピエロ目撃情報がアップされているだけではなく、目撃情報のあった地元警察のオフィシャルなFacebookには、ピエロの扮装に関して注意を即す投稿、もはや警告のようなものなども出てきている。
さてそんな中、ロブ・ゾンビが監督する恐怖のピエロ映画『31』が公開されたり、ユニヴァーサル・スタジオではイーライ・ロスによる恐怖のピエロ・アトラクションが登場したり、さらにはスティーヴン・キングの『イット』リメイク版のファースト・パートの撮影が終了したりと、このハロウィン期間、アメリカはまさにピエロ祭りと化している。
以下はイーライ・ロスのプレゼンツによる恐怖のピエロ・アトラクションのプロモーション映像。
ところで、前述しているスティーヴン・キング原作による映画『イット』、ティム・カリーが演じた恐怖のピエロ、あのペニーワイズの印象が凄まじい1990年アメリカ公開版以外にも、実は『イット』が映像化されていることをご存知だろうか。
なんとスティーヴン・キングの『イット』には、インド版ドラマが存在する!!!
タイトルは『Woh』、おそらくヒンディー語で「イット」みたいなことなのだろうけれど、ぼくはまったくヒンディー語なんて理解できないので試しに翻訳にかけてみたところ、「彼女」と出てくる。訳があっているのかどうかは知らないが、なるほど、なんとなくニュアンスはわかる気がする。
そしてなんと、この『Woh』は、YouTubeですべてのエピソードが鑑賞できるのである。これはもうスティーヴン・キング愛好家にとっても、『イット』愛好家にとっても夢のような話に違いない。
しかし・・・、もちろんお気付きのように、インド版なので言語はヒンディー語、英語字幕はもちろん、日本語字幕のようなものなど一切提供されていない。さらにはなんと、このドラマは驚愕の五十二話、もう一度言う、五十二話ものエピソードがある。ちなみに一話はだいたい二十分強ほどなようなので、まあに二十二分として見積もって、全話でなんと千百四十四分、約十九時間という壮大なドラマとなっている。
つまり、ヒンディー語の壁と、五十二話という壮大な時間を乗り越えた者こそ、至福のインド版『イット』を我が物に出来るというわけである。なかなかのハードルである。
正直に告白すると、ぼくもまだ序盤の序盤しか観ていない。
ただちょっとだけ情報を提供すると、インド版では、あのペニーワイズのことを、「ジョーカー」と呼んでいる。そして物語の始まりは、なにやら『インディー・ジョーンズ』的な雰囲気である。さらには、本編はなかなかチープな映像ではあるが、オープニングだけはアメリカの最新ドラマのようで(ちょっと言い過ぎ)、思いの外カッコよい。
どうだろうか、これでもう、観たくてたまらなくなった紳士淑女が続出だと思う。
というわけで、ハロウィンまであと約一ヶ月、一日二話こなせばなんとか間に合う。そう考えると楽勝であろう。ハロウィンの当日にクリーピーなピエロの扮装をしてパーティーに繰り出し、みんなの前で風船でも膨らませながら、
「おれ、インド版のイット、観たことあるんだぜ。」
とでも口にすれば、もう注目の的になること請け合い、キャット・ウーマンの格好をしたセクシー美女や、ハーレ・クインのコスプレをしたキュートなギャルを二三人連れて帰宅することも夢ではないであろう。
そんなわけで、インド版『イット』、いつ消されるかも知れないから、見逃すなよ!
あっ、そうだ、ちなみに以下が全エピソードの再生リストである。
では、素敵なピエロ・ライフを。
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月白貉