ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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2016年の不気味なクラウン目撃騒動の真実がドキュメンタリー映画化!『ビハインド・ザ・サイティング(原題:BEHIND THE SIGHTINGS)』

昨年2016年、米国サウスカロライナ州のグリーンビルに端を発する“不気味なクラウン目撃騒動”(2016 clown sightings)は、その後まるで邪悪な疫病の如き様相を見せ、最終的には米国内だけに留まらず世界中に感染した。

 

最初の目撃情報となる子供たちの証言によれば、グリーンビルのとあるアパートメントに隣接する森の中に2人のクラウンがいて、彼らに札束などを見せつけて森のなかに誘い込もうとしていたという。

 

このクラウン目撃騒動の詳細に関しては、当ウェブログ内で様々に触れているので、もし興味のある方は右上のブログ内検索で「クラウン」あるいは「ピエロ」と入力して、掘り起こしてみて頂きたい。

 

関連記事不気味なピエロの目撃が、アメリカで相次いで発生しているそうです。

 

ちなみにこの騒動に関しては、同年のハロウィンを境にして嘘のようにパッタリと終息してしまった。いや、実際のところは正直よくわからない。メディアへの露出が減ったという情報操作により、終息したかのように見えているだけかもしれない。

 

しかし、遂にこの騒動を扱ったドキュメンタリー映画が公開されることになった。

 

トニー・キャドウェル(Tony Cadwell)監督、そしてトミー・V・フィルムズ(Tommy V Films)の配給による『ビハインド・ザ・サイティング(原題:Behind the Sightings)』という作品である。

 

 

同プロダクションの代表トミー・ヴラハポラス(Tommy Vlahopoulos)は本作品に関して以下のように述べている。

 

“Clowns have traditionally been associated with slapstick style performance, comedy or mime, but there has always been a dark side to a clown,”

 “This is not fake news, Behind the Sightings is centered around the terrifying clown sightings that shook the world last year, and an eager couple swept up in all the phenomenon. This is a very newsworthy subject, especially with all the continuous clown sightings.”

source: Tommy V Films Nabs Clown Epidemic Thriller ‘Behind The Sightings’ | Deadline

 

「クラウンたちは伝統的に、喜劇やパントマイムなどのコミカルなパフォーマンスの担い手として存在してきたが、しかしそこにはいつも闇の側面が付きまとっている。これは偽のニュースではない。“ビハインド・ザ・サイティング”は昨年2016年に世界を揺るがせた恐ろしいクラウン目撃騒動を中心に扱っており、熱心なカップルがそのすべての現象の原因を掻き集めたんだ。これは非常に価値のあるテーマだよ。」というようなことだと思う。

 

本作品の公開は2017年10月を目指しているとのことなので、まあ日本で観られるようになるのがいつになるかは定かではないが、個人的に最注目の作品であることは言うまでもない。

 

日本ではクラウンあるいはピエロという存在が、あまり日常生活に深く結びついていないため、ピエロのダークサイド的な部分の怖ろしさというものはあまりピンとこないかもしれない。しかし欧米では、幼い頃から日常的にクラウンというものに接する機会が非常に多いため、前述のプロデューサーの言葉にもあるように、そしてかのスティーヴン・キングも言っているように、子供たちはクラウンのそういった裏の側面を直感的あるいは無意識的に知っていて、表面的なパフォーマーとはまた別の、クラウンたちの持つ裏の本質をひどく恐れているのである。

 

そういった子供たちの無意識下にある恐怖の集合体が具現化した何かが、不気味なクラウンの姿となって街角の闇に潜んでいるのかもしれない。

 

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さてそして、2017年度に公開が予定されている長編のホラー映画としてのクラウン作品は、ぼくが知るだけでもなんと6作品も存在する。おそらく知らない作品や短編作品も含めると相当な数にのぼるはずである。6作品の中には当ウェブログで以前に取り上げたものも含まれているが、せっかくなので最後に、その6作品の予告編映像を一気に取り上げてみたい。

 

ちなみに以前、短編のクラウン作品をまとめた記事もあるので、興味のある方はそちらもぜひご覧いただきたい。

 

関連記事ピエロなんて怖くない、“コルロフォビア”を克服する恐怖のクラウン短編作品セレクション。

 

では、2017年恐怖のクラウン映画予告編映像を、存分にご堪能あれ。

 

アンディ・ムスキエティ(Andrés Muschietti)監督『イット(原題:It)』

 

ヘインズ・ホイットモア(Haynze Whitmore)監督『クルピトゥス(原題:Crepitus)』

 

アーロン・ミルテス(Aaron Mirtes)監督『クラウンターガイスト(原題:Clowntergeist)』

 

クリストファー・レイ(Christopher Ray)監督『サーカス・ケイン(原題:Circus Kane)』

 

ダミアン・レオーネ(Damien Leone)監督『テリファイアー(原題:Terrifier)』

 

アダム・クラウス(Adam Krause)監督 『ギャグス(原題:Gags)』

 

 

 

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