ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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2016-07-05から1日間の記事一覧

蝿(ハエ)の能力値が高すぎて恐怖を感じる件について

部屋が蒸し風呂のように暑いので窓を開け放っていたら、一匹の大きな蝿が入ってきて部屋を飛び回りだした。 最初はそのスピードが早すぎて、網膜剥離でも起こして、いもしない羽虫が飛ぶのが見えているのかと思っていたけれど、やはり虫が飛んでいた、蝿だ。…

人形アパートメント

躊躇いながらも再び携帯電話を手に取ると、電話の着信表示は実家の母のものだった。 「もしもし、ヒロユキ、夜遅くにごめんね、もう寝てた?」 母の声は明らかに何かの緊張感を含んでおり、早口で上ずっていた。 「いや起きてたけど、こんな時間にどうしたの…

顔色ブック

「おれさあ、あのフェイスブックってもの、使ったことないんだけど、つっちゃんは使ってるの?」 はるか遠くに雨をたっぷり含んだ真っ黒な雲が浮かんでいて、けれどいつになってもこちらには流れてはこず、かと言って遠ざかるわけでもなく、ずっと彼方にいて…