ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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放棄された絵画と大衆文化の融合、魅惑のスリフト・アートの世界。

アメリカにはスリフト・ショップ(Thrift Stores)というものが存在する。

 

これは何かといえば、古着や家具や家電などを寄付によって集めて再販売し、その収益を慈善活動や寄付に当てるという小売形態のことである。

 

「ああ、日本で言うリサイクルショップね」と思うかもしれないが、根本的に違うところは、売っている商品は「買取」された物ではなく、「寄付」された物なのであり、ショップは主に慈善団体によって運営されているため、スタッフもボランティアであることが多いのである。

 

一方、寄付する側にもメリットがあり、寄付した物の金額を自己申告すると、レシートが貰える。そのレシートを税務申告の際に提出すると、寄付した額分の税控除が受けられるという仕組みになっている。アメリカではスリフト・ショップに限らず、寄付した分の税控除が受けられ、寄付することで恩恵が得られるという仕組みが成り立っているのである。

 

さて、ニューヨークを拠点に活動しているアーティストのデイヴ・ポロット(Dave Pollot)さんは、そういったスリフト・ショップや古着屋やガレージ・セールなどで売られている放棄された芸術作品(絵画)を探してきて、そこに大衆文化の色を添えるとことで新しい命を与えるという、アート作品を生み出している。

 

「スリフト(thrift)」とは、倹約とか節約という意味。

 

つまりそれはスリフト・アートであり、彼はスリフト・アーティストなのである。

 

そんな彼の作品を見て、ぼくは久しぶりに、絵画を見て心ときめいた。

 

その作品の幾つかをご紹介したいと思う。

 

まずはこれ、任天堂の大人気ゲーム『スーパーマリオカート』(Super Mario Kart)。こんな風にして、誰かの描いた単なるありふれた風景画の上に、タッチを似せて絵を描くことによって、新たな作品として生まれ変わらせているのである。

 

すごく不思議な感覚の、魅力的な絵画に生まれ変わっている。

 

 

 ウェス・クレイブンの『エルム街の悪夢』(A Nightmare on Elm Street)、しっとりとした雰囲気の、けれどハードボイルドな作品に見える。

 

 

これは『スーパーマリオブラザーズ3』(Super Mario Bros. 3)かな、昼寝をするマリオと、釣り人の目の前に恐ろしげに現れるクッパクッパの絵、かっこいいなあ。

 

 

 

ロバート・ゼメキスの『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(Back to the Future)、なんだか劇中にもこんなシーンがあったような・・・気さえする。

 

 

ウォルフガング・ペーターゼンの『ネバーエンディング・ストーリー』(Die unendliche Geschichte)、世界観からしてこういう絵画にピッタリの題材。アトレイユなんて最初から描かれていたみたい。

 

 

再び大人気ゲームから『Fallout 4』(フォールアウト4)、『Fallout 3』(フォールアウト3)はずいぶんやり込んだが、最新作はまだプレイしていない、持っているハードの都合上で。

 

 

トム・ホランドの『チャイルド・プレイ』(Child's Play)、しっくりきすぎていて恐い。おそらくこの後、犬と老人はチャッキーに殺される。まずは犬が先で、血だらけの犬を発見した老人が後ろからアキレス腱をナイフで切られる予感。

 

 

さらに、大人気ゲームの『Minecraft』(マインクラフト)、村を守ってくれるやつ、アイアンゴーレム。ぼくはこのゲームはあまりやり込んでないので、この守ってくれるやつ、プレイ中に見たことがない。

 

 

そして、みんな大好き『スター・ウォーズ』(Star Wars)シリーズより数点、やはりこういうアートには必ず取り上げられる『スター・ウォーズ』、みんなに愛されている証だろうなあ。AT-ATが町中を闊歩するやつがすごく素敵。

 

 

 

 

最後に、ジョン・カーペンターの『ハロウィン』(Halloween)、これなんかも完全に、もとからこういう絵画にしか見えない。映画のポスターにも使えそうな非常によく出来た一品である。

 

 

とまあそんなわけで、デイヴさんの作品はまだまだ山ほどあるので、気になる方は以下のオフィシャルなウェブサイトなどで堪能して欲しい。さらにはこの作品は一点ものとして販売もされている。確かにこんな絵画が部屋の中に何気なく飾られていたら、もうたまらなく感動する。欲しい方は購入を検討してもよいかもしれない。

 

オフィシャルサイト:Dave Pollot Art, LLCDave Pollot Art - Art with a Sense of Humor

 

このウェブログでは、特に海外の映画カルチャーに関しての話題を多く取り上げているので、気になる方はページの一番下のブログ内検索で、「映画」と入力して、あるいは気になる映画のタイトルなんかを入力して、ほとんど人目に触れずに埋もれている記事を、ぜひ探していただきたい。

 

 

 

 

月白貉