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ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲が自らの感覚で日本を歩きまわって見聞を広めたように、故郷を離れて旅を続けるぼくが、ぼくの感覚でその土地を歩き回って、見たり聞いたり嗅いだり触ったりした、ぼくの見聞録です。

銀色の正義

浦島さんの口から吐出されたのは、ブルーベリーのジャムみたいな真っ黒い血液と、銀のような色をした正義という言葉だった。

 

「正義とはなんですか?」

 

「誰かの正義や、どこかの正義や、何かの正義ではなく、ほんとうの、正義とはなんですか。いったい誰が裁くんですか、いったいだれが正義などというものを、どうやって正義などというものを。」

 

切れ切れの銀の正義と、黒く染まってしまった血液の、そのたくさんの粒が融合した弾丸が、ぼくの体を何度も貫いた。

 

痛みはないように思えたが、弾丸を打ち込まれたぼくの体には無数のいびつな傷跡ができていて、その毒花のような傷跡に指を入れると、傷跡から流れ出す真っ黒い液体が、指を、手のひらを、そして腕を伝って、ぼくの体を黒く染めた。

 

 

 

 

正義論

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正義論の名著 (ちくま新書)

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月白貉