ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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2017-08-25から1日間の記事一覧

ありふれた恐怖

開け放たれた窓の外から部屋の中に吹き込んで来る風には、どんよりとした微睡みのような生温かい水分が多量に含まれていた。 台所のガスコンロの脇の壁に油性のマジックで殴り書かれた文字を残してサチコが姿を消してからちょうど48時間が過ぎた。 私は今、…