夏休み前の小学校によくありがちな、赤マント的吸血鬼の話。

ぼくが小学三年生の時の話。 夏休みを目前に控えたある日、二時間目の国語の授業が始まってすぐに、渡辺くんが手を上げてトイレに行きたいと言い出した。 おそらくは大きい方だったと思うのだが、渡辺くんが顔を真っ赤にして、椅子から腰を浮かせて体をモゾモゾさせて、「先生、トイレに、行ってきてもいいですか?」と言…