下駄箱ナイトメア

父の葬儀のため実家に帰省したぼくは、葬儀を終えた次の日の夕方、生まれ故郷の寂れた街の中を、なんのあてもなく歩きまわった。 子供の頃、毎日毎日歩いた小学校への通学路に差し掛かると、夏の陽が急激に傾きだした気がした。ふと何かの残像のような記憶が頭をかすめて、何もない虚空に、手を伸ばす。そして、母校だった…