狼ノスタルジア

おじいちゃんのことを思い出した。 ぼくは「じじ」と呼んでいた。 じじは、自分の子どもたちには「パパさん」と呼ばれていた。 じじはずいぶんと嫌われ者だった。だれひとり味方のいない、痩せこけた狼みたいだった。じじはなんであんなにみんなから嫌われてるのか、なんとなくはわかっていたけれど、本質的な部分はいまま…