東方の三賢人

黒酒宙というのがぼくの祖父の名前だった。 読み方は姓がクロキ、そして名がチュウ、町内では「チュウさん」とか、人によっては「クロチュウ」とか呼ばれていた。 ただ、祖父は町内ではずいぶんと変わり者扱いされていて、近隣の多くの人々に陰口を叩かれたり、毛嫌いされている存在であることを、ぼくはずいぶん幼い頃か…