少女と白猫

いつも日課にしている夕暮れのランニング中、コースの終盤にある雑木林の散策路を走っていると前方に見かけない初老の男性が歩いているのが目に入ってきた。 冬の夕暮れ時というものは、ついさっきまでオレンジ色だった世界が、ほんとうに「あっ」という間に漆黒の闇の世界に包まれてしまう。 老人のすぐ背後まで近付いた…