兄弟

兄と話をしなくなったのはいったい、いつごろからだろうか。 小学生の頃、ぼくは登校を拒否しがちな子どもだった。 誰かにいじめられていたとか、勉強するのが嫌だったとか、あるいは少し大人びていて義務教育の制度に疑問を感じていたとか、とくに具体的な理由があったわけではない。 ただ漠然と学校に行きたくなかった。…