猫の役割

夜は、猫がこっそり歩く音くらいしか、聞こえてこない。 だから猫は、もっと聞こえないように、いまよりもっとこっそりと歩くようになる。 そしていつか、足が透明になって、ふわふわ浮かんで、くるくるまわって、空に飛んでゆくと思っていると、軽くなったはずの足は、今度は反対にどんどん重くなって、キンキンと音をた…