氷猫

「ひなたも、めっきり寒いです。」 透きとおった氷のように青い毛の色をした猫が、大きな銀杏の樹の下で丸くなっていた。 「うかうかひなたぼっこもできません。」 そう呟く猫のまわりには、木から落ちてきた銀杏の実がたくさん転がっていた。ぼくがしゃがんで、その銀杏の実をひとつつまみ上げると、 「その実を、私の頭…