同型の憧憬 - 其の壱

小学校を卒業してからもう三十年近い年月が経つ。 ぼくは当時の田舎の小学生にはめずらしく、地元の中学校ではなく東京にある私立の中学校に進んだ。 その受験勉強のために、小学六年生の時の一年間は毎日毎日進学塾に通わされた。夏休みも冬休みも、ぼくには他の友だちみたいに休みはなく、朝から晩まで塾で過ごした。受…