見知らぬタイムマシン

久しぶりに見知らぬ街を歩く一日を過ごす。 古いというよりも、時の経ちすぎた抜け殻のようになってしまった残骸商店街や、裏路地に連なる朽ちかけた墓標のような住宅の群れを通り抜けると、物悲しくなりつつも何か心地のよい風に吹かれるような気持ちになることがある。 梶井基次郎が「檸檬」の中でこんなことを書いてい…