もし怖い夢をみたら、誰かに話せば忘れるという魔法。

「ねえ、ユウ。」 ぼくの座っている椅子のすぐ横の床に仰向けに寝転んで、ナツミはぼくの足首を静かに握っていた。朝の六時を過ぎた世界が、夏の頃とは打って変わって、それが朝なのか夜なのかわからないような顔をして、くすんだ青か灰色の息を吐きながら立ち尽くしているのが、窓の外に見えた。季節はいつだって変化して…