顔色ブック

「おれさあ、あのフェイスブックってもの、使ったことないんだけど、つっちゃんは使ってるの?」 はるか遠くに雨をたっぷり含んだ真っ黒な雲が浮かんでいて、けれどいつになってもこちらには流れてはこず、かと言って遠ざかるわけでもなく、ずっと彼方にいて、素知らぬ顔をしている。だから店長とぼくの、二人の上の空はず…