ワンブチヌシ(蜿淵主) - 『新日本妖怪事典』 -

出雲地方の山中に深い淵があって、そこには「ワンブチヌシ(蜿淵主)」というものがいる。 あるとき、ひとりの農民が馬を引いて淵の前を通りかかった時、淵の中に腰まで浸かった老婆がこちらを向いて「助けてくれ助けてくれ」と言って手をこすり合わせて拝んでいる。 あのような老婆がなぜ山の中の淵に浸かっているのだと…