アカヤツデ(赤八手)【其の壱】 - 『新日本妖怪事典』 -

昔、出雲国と伯耆国の二つの大きな入り海(現在の中海と宍道湖)には「アカヤツデ」という妖怪が出たと言われている。 霧の出た朝に舟を出して網を打っていると、向こうの霧の中からぼんやりとした大きな影がこちらに近付いてくる。他の者が舟を走らせているのかと思って声をかけると、大きな水音がしてその影は消えてしま…