微睡み

夢を見た。 顳顬のあたりと首の後にピチッという何かが引き千切れるような音が響き、半透明にいくつも折り重なった多色の意識に亀裂やら分断の兆しが過ぎり、突然に目を覚ます。 まだ朝には程遠いだろうとの予想通り、枕元に忍ばせたスマートフォンを起動させると午前五時三十七分、真冬の凍える朝はいつまでも布団の中で…